研究課題/領域番号 |
22K09520
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
皆川 倫範 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (60638873)
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研究分担者 |
石塚 修 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (20184541)
小川 輝之 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (90467142)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 流体力学 / 排尿 / ベルヌーイの定理 / 下部尿路機能障害 / ハイスピードビデオカメラ / 尿流率 / 尿道狭窄 / 尿道変形 / 下部尿路機能 |
研究開始時の研究の概要 |
泌尿器疾患における排尿機能検査として、膀胱内圧測定と尿流測定検査が実施されている。侵襲性が高いことや検査データの再現性が低い等の課題が顕在化しており、新たな排尿機能検査が求められている。申請者らは、排尿を「流体力学的」に解析する方法を開発中であり、パイロット研究において、動画として取得した尿流データから排尿障害の病態・重症度を判定できる可能性が示唆された。本研究では、流体力学的排尿機能検査の開発を目的に、1)尿流速度と尿線形態の解析、2)流体力学的な正常・異常所見の確立、3)排尿機能の臨床的評価を行う。
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研究実績の概要 |
緒言:我々は、ハイスピードビデオカメラ(HSVC)を用いて排出された尿線を観察し、尿線の流体力学的解析の臨床的意義を報告した。今回我々は、男性下部尿路のファントムを用いて、尿道の形態学的変化が尿線の流体力学的パラメーターに及ぼす影響を解析し、その臨床的意義を検証した。 方法:男性外陰部のファントムに、電動ポンプを接続して男性下部尿路の排尿モデルを作成した。前立腺部尿道に相当する部分にアタッチメントを接続し、尿道の形態学的異常を再現した。アタッチメントは、正常タイプ(N type)、片側圧迫タイプ(H type)、両側圧迫タイプ(B type)、点状狭窄タイプ(S type)、屈曲タイプ(C type)、高度屈曲タイプ(SC type)、扁平タイプ(F type))を作成した。電動チュービングポンプは回転数制御で200から600rpmまで段階的に流量を増やし、HSVCで観察を行った。同期的に測定した尿流率(Q)を測定した。外尿道口から最初のとぐろまでの距離(LFT)、外尿道口から散乱までの距離(LSU)、尿線速度(V)、尿線断面積(A)を測定した。 力学的パラメーターの基本的な関係式は、Q= V x Aで、全ての結果は、200rpmでの測定結果からの変化率(%)として解析を行った。 結果:200rpmで測定したQは、全てのアタッチメントで6mL/secであった。LFTは、N、H、B、S、C、SC、F type、それぞれ、60.9、49.9、49.9、39.8、55.7、50.2、58.2 unitesで、LSUは、471.8、242.9、308.1、327.4、361.7、361.6、363.3 unitesであった。Vは、それぞれ、120.5,、118.1、117.3、123.7、116.5、126.0、128.0 cm/secで、Aは、0.50、0.51、0.51、0.48、0.50、0.48、0.47 cm2であった。 結語:流体力学的パラメーターは、尿流測定と異なる性質を持ち、尿道形態異常の診断に意義のある所見が得られることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究でファントムの作成は妥当な仕上がりとなっていて、研究成果に関しても各学会に報告可能な状態になった。論文の作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
論文を執筆中である。
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