研究課題/領域番号 |
22K09521
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
堀井 常人 滋賀医科大学, 医学部, 客員助手 (70838458)
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研究分担者 |
辻本 洋行 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (20521272)
影山 進 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50378452)
萩原 明郎 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (90198648)
河内 明宏 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (90240952)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 膀胱再生 / P(LA/CL) / 脂肪由来幹細胞 / 生体吸収性 / 足場材料 / 再生医療 / バイオマテリアル / 再生医学 / 泌尿器科学 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
消化管利用に代わる新たな医療材料を用いる膀胱再建方法を確立するために、これまでにウサギ膀胱に対して羊膜やポリ乳酸カプロラクタム重合体足場材料及び口腔粘膜細胞や胃平滑筋細胞を組み合わせ実験を行った。その結果、1年半の長期に渡って機能的、組織的に良好な膀胱再生に成功した。しかしながら、さらなる臨床応用を考えると、開腹回数の削減や簡便な播種細胞採取方法をする必要があった。そこで、本研究では、一体型の2層性足場材料と脂肪から容易に採取可能な脂肪由来幹細胞を用いる方法で膀胱再建を試みる。
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研究実績の概要 |
昨年度までに膀胱組織再生に最適な足場材料を作製するために、P(LA/CL)の重合比率及びエレクトロスピニングの条件設定等をまず検討した。重合比はPLA=100%、LA:CL=80:20、70:30、50:50、PCL=100%の5種類を使用した。エレクトロスピニング条件はトラバース速度100~250mm/min、回転速度100~150rpm、シリンジ速度0.05~0.1mm/min、電圧5~10kVの範囲で設定した。溶媒には1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパノールを使用した。濃度は10~15%の範囲で調製し使用した。結果、重合比がPLA=100%やPLC=100%では、材料そのものの伸縮性が非常に低く、LA:CL=70:30が最も伸縮性の高い材料となった。またP(LA/CL)とエタノールとを同時に噴射することによって、より繊維間隔の広い材料を作製することに成功した。そこで、次に最適なLA:CL=70:30の材料を使用し、ラットの皮下ポケットに埋植し、組織形成について評価を行った。その結果、3週間後には繊維内部にまで細胞浸潤が認められ、血管の形成を複数確認することができた。 さらに、ヒト羊膜及びエレクトロスピニングで作製したP(LA/CL)材料を予備的に犬の腹腔内大網に筒状にロールし、3から4週間腹腔内で熟成を行った。その結果、熟成組織は内腔を有し、弾力性に富んだ粘膜下組織を形成していた。そこで、次にイヌの膀胱頂部から3cmの切り込みを入れ熟成組織を貼付し、2層性に縫合を行った。現在、術後3カ月まで生存の確認はできている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
羊膜およびP(LA/CL)材料を用いてイヌの膀胱組織再生の予備的検討まで昨年度は実施することができた。現在は、予後の経過観察と追加でイヌ膀胱への材料貼付縫合を行っているが、羊膜入手や材料作製に時間を要するため、当初の予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の予定として、エレクトロスピニングあるいは凍結乾燥法などを用いてP(LA/CL)材料を作製するとともに、追加でイヌを用いて作製材料の腹腔内熟成および膀胱への貼付縫合を実施していく。
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