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男性不妊症新規原因遺伝子の同定と治療法の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K09528
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56030:泌尿器科学関連
研究機関徳島大学

研究代表者

佐藤 陽一  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (10363160)

研究分担者 山本 清威  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 助教 (20866553)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード男性不妊症 / アンドロロジー / ゲノム / 遺伝子改変動物
研究開始時の研究の概要

男性不妊症の新規原因遺伝子の同定と治療法の開発を目的とし、本研究では非閉塞性無精子症患者を対象にした次世代シーケンス解析から原因となる候補遺伝子を抽出し、遺伝子改変動物を作製して造精機能を解析することで、男性不妊症の新規原因遺伝子を同定する。また、これまでに同定した造精機能関連遺伝子をターゲットとした化合物をスクリーニングし、得られた化合物は精子形成能力を向上させることができるのか検討する。

研究実績の概要

男性不妊症の新規原因遺伝子の同定と治療法の開発を目的として検討を行った。新規原因遺伝子の同定については、これまでに46名の非閉塞性無精子症患者さんからDNA試料を収集し、次世代シーケンス解析を行った。得られた塩基配列をヒト参照配列にマッピングし、アレル頻度1%以下のタンパク質の機能に影響を及ぼす変異を絞り込んだ。変異がある遺伝子について精巣での発現や精巣内での局在をThe Human Protein Atlasで調べた結果、精巣で機能していそうな候補遺伝子として、4人に共通していた遺伝子が4個、3人に共通していた遺伝子が12個あった。一般日本人のアレル頻度から算出するとオッズ比は7以上であり、新規原因遺伝子の可能性が考えられる。また、Y染色体上の無精子症候補領域内に遺伝子コピー数と男性不妊症との関係を調べた結果、DAZ領域の欠失が男性不妊症と有意な関連を示すことを明らかにした。
治療法の開発については、精子濃度と関連を示唆したAKR1C3遺伝子をターゲットとした化合物の探索を目指した。ドラッグリポジショニングによりAKR1C3活性を阻害する化合物と誘導する化合物を1つずつ選んだ。これらの化合物をラットに30日間経口投与し、投与後、精子数、精子運動率を測定した。その結果、AKR1C3活性を阻害する化合物はコントロールと比較して精子数を低下させた。一方、AKR1C3活性を誘導する化合物は精子数を増加させたことから、この化合物は男性不妊症の治療薬として期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

46名の非閉塞性無精子症患者を対象とし、原因遺伝子の同定を進めた結果、候補変異を抽出することができた。また、精子濃度と関連性を示唆したAKR1C3遺伝子をターゲットとした化合物の精子形成に与える影響を検討した結果、AKR1C3活性を誘導する化合物は精子数を増加させることを明らかにした。これらの成果について論文発表や学会発表にも至っているため、おおむね順調に進展していると判定した。

今後の研究の推進方策

男性不妊症の新規原因遺伝子の同定と治療法の開発を目的とし、今後は以下の検討を行う。
1.男性不妊症の新規原因遺伝子の同定:抽出した候補遺伝子について、本当に精子形成に影響を与えているのかどうかを明らかにするため、実験動物や培養細胞などを用いてメカニズムを解析していく。
2.治療法の開発:AKR1C3のプロモーター領域をクローニングし、pGL4レポーターベクターに組み込んだハイスループットスクリーニング系を構築する。およそ1500化合物についてAKR1C3プロモーター活性を上昇させる化合物をスクリーニングする。スクリーニングより見つかった化合物をラットに投与し、投与後の精子形成能力を観察する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] An update and frequency distribution of Y chromosome haplogroups in modern Japanese males2024

    • 著者名/発表者名
      Inoue Makoto、Sato Youichi
    • 雑誌名

      Journal of Human Genetics

      巻: 69 号: 3-4 ページ: 107-114

    • DOI

      10.1038/s10038-023-01214-5

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Y chromosome haplogroups are associated with birth size in Japanese men2024

    • 著者名/発表者名
      Sato Youichi
    • 雑誌名

      The Journal of Medical Investigation

      巻: 71 ページ: 141-147

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analysis of the correlation between gene copy deletion in the AZFc region and male infertility in Japanese men2023

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa Yusuke、Tada Atsushi、Kojo Kosuke、Tsuchiya Haruki、Kurobe Masahiro、Uchida Masahiro、Yamasaki Kazumitsu、Iwamoto Teruaki、Sato Youichi
    • 雑誌名

      Reproductive Biology

      巻: 23 号: 1 ページ: 100728-100728

    • DOI

      10.1016/j.repbio.2022.100728

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lrriq1 is an essential factor for fertility by suppressing apoptosis2022

    • 著者名/発表者名
      Fukutomi Mayu、Uedono Chiharu、Fujii Aki、Sato Youichi
    • 雑誌名

      Journal of Assisted Reproduction and Genetics

      巻: 39 号: 11 ページ: 2647-2657

    • DOI

      10.1007/s10815-022-02623-9

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] AKR1C3をターゲットとした肝細胞癌治療のための新規抗腫瘍薬の探索2023

    • 著者名/発表者名
      原田 真優,佐藤 陽一
    • 学会等名
      第62回日本薬学会中国四国支部学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ゲノムワイド関連解析による精索静脈瘤関連遺伝子の同定とin silico解析2023

    • 著者名/発表者名
      若野 奏海,佐藤 陽一
    • 学会等名
      第62回日本薬学会中国四国支部学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] AKR1C3をターゲットとした男性不妊症治療薬の開発研究2023

    • 著者名/発表者名
      藤田 彩花,田 嘉祥,笠原 朱莉,佐藤 陽一
    • 学会等名
      第62回日本薬学会中国四国支部学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 非閉塞性無精子症患者43名の全エクソームシーケンス2023

    • 著者名/発表者名
      髙見 真理子,黒部 匡広,土屋 春樹,古城 公佑,内田 将央,山崎 一恭,岩本 晃明,佐藤 陽一
    • 学会等名
      第68回日本生殖医学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] GWASによる精子濃度関連遺伝子座の同定とゲノム創薬研究2022

    • 著者名/発表者名
      笠原 朱莉,山本 清威,佐藤 陽一
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Inhibin B関連遺伝子Lrriq1の雄生殖能力に与える影響についての検討2022

    • 著者名/発表者名
      宮田 茉奈,佐藤 陽一
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ヒト精子運動率関連遺伝子ERBB4をターゲットとした化合物の探索と精子運動率の検討2022

    • 著者名/発表者名
      伊東 佑星,小西 麻実,山本 清威,佐藤 陽一
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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