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腎癌関連血管内皮細胞におけるPSMAの発現制御機構及び、その分子機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K09529
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56030:泌尿器科学関連
研究機関愛媛大学

研究代表者

菊川 忠彦  愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (70444734)

研究分担者 東山 繁樹  愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (60202272)
雑賀 隆史  愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (10314676)
渡辺 隆太  愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (00813635)
三浦 徳宣  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80554427)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード腎がん / PSMA / 質量分析法 / 腎癌
研究開始時の研究の概要

PSMAは固形癌の検出や治療標的としても利用されているが、その機能については不明な事が多い。PSMAは通常、正常血管内皮細胞には発現しないが、強制発現により血管新生が促進される。腎癌における血管新生増多は特徴的であり、腫瘍近傍の新生血管ではPSMAは強陽性となる。本研究では、腎癌細胞由来microvesicleによる正常血管内皮細胞でのPSMA発現誘導機構とPSMA陽性血管内皮細胞の質的変化を解明することで、腎癌増殖・転移に関する新しい知見を得る。

研究実績の概要

本研究では、質量分析を基盤技術として、腎癌細胞由来MVによる正常血管内皮細胞でのPSMA発現誘導機構とPSMA陽性血管内皮細胞の質的変化を解明することで、腎癌増殖・転移に関する新しい知見を得ることにある。令和4年度では、腎癌細胞株の培養上清中を、正常血管内皮細胞であるHUVECの培地中に添加し、PSMAの転写が誘導される事を確認したところHUVECにおいてPSMA発現が見られることを見出した。特に10,000 x g pellet画分において、その発現は顕著であった。PSMA陽性になったHUVEC においてtube formation assayを施行したところ、血管新生が亢進していることを確認した。また、令和5年度は腎癌の摘出検体を45例まで増やし、腎癌腫瘍周囲血管におけるPSMA発現を免疫染色にて検討した。腫瘍周囲血管細胞におけるPSMAの発現を、weak, moderate,strongに分け検討したところ其々、18例、13例、14例であった。観察期間中に9例が再発し、腎癌腫瘍周囲血管でのPSMA発現が高い群で予後が不良であった。さらに、複数の腎癌細胞株を用いて、その培養上清を正常血管内皮細胞であるHUVECに添加し、tube formation assayにて血管新生を評価した。その結果、Caki1やACHNよりもCaki2のようなARを発現している腎癌細胞株の方がより血管新生誘導能が強いことが分かった。治療抵抗性腎癌細胞株はARを発現していることが知られているため、このことはPSMAを介した腫瘍血管新生には前立腺癌同様ARシグナルが重要な働きをしていることを示唆している。今後は、ARシグナル経路を標的とした血管新生阻害が有効である可能性について研究を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度は、複数の腎癌細胞株を用いて、その培養上清を正常血管内皮細胞であるHUVECに添加し、tube formation assayにて血管新生を評価した。その結果、Caki1やACHNよりもCaki2のようなARを発現している腎癌細胞株の方がより血管新生誘導能が強いことが分かった。治療抵抗性腎癌細胞株はARを発現していることが知られているため、このことはPSMAを介した腫瘍血管新生には前立腺癌同様ARシグナルが重要な働きをしていることを示唆している。また、臨床検体において腎癌腫瘍周囲血管でのPSMA発現が高い群で予後不良である知見も症例数を増やしても同様の結果を得た。これらの結果は、腎癌周囲血管でのPSMA発現が腎癌の腎癌増殖・転移に関与している可能性を示唆しており、当初の計画通り遂行出来ている。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、ARシグナル経路を標的とした血管新生阻害が有効である可能性について研究を進める予定である。また、腎癌組織におけるPSMA発現強度と臨床的再発の相関につき、より多くの組織を免疫染色して検討する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Prostate-specific membrane antigen expression in endothelial cells of renal tumor-associated neovasculature and risk of recurrence for renal cell carcinoma2024

    • 著者名/発表者名
      Tadahiko Kikugawa, Keito Kagimoto, Ryuta Watanabe, Noriyoshi Miura, Takashi Saika
    • 学会等名
      第111回日本泌尿器科学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Prostate-specific membrane antigen expression in endothelial cells of renal tumor-associated neovasculature and risk of recurrence for renal cell carcinoma2024

    • 著者名/発表者名
      Tadahiko Kikugawa, Keito Kagimoto, Ryuta Watanabe, Noriyoshi Miura, Takashi Saika
    • 学会等名
      2024 ASCO GENITOURINARY CANCERS SYMPOSIUM
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Prostate-Specific Membrane Antigen Expression in Endothelial Cells of Renal Tumor-Associated Neovasculature and Risk of Recurrence for Renal Cell Carcinoma2023

    • 著者名/発表者名
      Tadahiko Kikugawa, Keito Kagimoto, Ryuta Watanabe, Noriyoshi Miura, Takashi Saika
    • 学会等名
      The 43rd Congress of the Societe Internationale d`Urologie
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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