研究課題/領域番号 |
22K09539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
永山 綾子 久留米大学, 医学部, 助教 (00837883)
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研究分担者 |
野村 政壽 久留米大学, 医学部, 教授 (30315080)
蘆田 健二 久留米大学, 医学部, 准教授 (40549333)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 前立腺癌 / GnRH受容体 / 動脈硬化 / マクロファージ / アンドロゲン |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺癌の治療では、GnRH受容体作動薬やアンドロゲン受容体拮抗薬によるアンドロゲン除去療法が行われる。治療薬の進歩により原疾患に直接起因する死亡率は低下している一方で、心血管合併症が予後因子として問題となってきている。GnRH受容体は下垂体前葉細胞以外に血管内皮細胞やマクロファージにも発現が見られることから、GnRH受容体作動薬と心血管合併症との関連が示唆される。本研究ではマクロファージのGnRH受容体に着目し、GnRH受容体作動薬による動脈硬化進展作用の分子機構を解明し、GnRHシグナル制御という視点から前立腺癌患者の動脈硬化進展抑制を目指した治療法を開発する。
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研究実績の概要 |
1.GnRH受容体作動薬と拮抗薬の動脈硬化進展におよぼす作用の差異を用いた検討については、ApoE欠損マウスに高脂肪食を摂餌させ、GnRH受容体作動薬投与群、GnRH受容体拮抗薬投与群、コントロール群に分けて解剖を行った。マウスの大動脈弁輪のプラーク面積には有意差がつかなかったが、プラークの壊死部位はGnRH受容体作動薬投与群で少ない傾向にあった。GnRH受容体がプラークの不安定性に関与している可能性が示唆された。引き続き免疫染色を追加し、大動脈プラークでの解析を進める。併せて腹腔内マクロファージの採取も行うことができたため、GnRH受容体作動薬および拮抗薬前後で腹腔内マクロファージのmRNAにおいてどのような遺伝子発現が変化し、動脈硬化に関連しているのかを解析する。 2.GnRHがマクロファージの泡沫化に及ぼす影響については、THP-1をマクロファージへ分化誘導し、泡沫化させる手技は確立している。泡沫化させたマクロファージにおいてGnRH受容体作動薬の方が、泡沫化面積が少ない傾向にあり、引き続き実験回数を重ねて、再現性を確認する。 3. GnRHがマクロファージ泡沫化に関与する遺伝子発現に及ぼす影響については、現在2の実験を進めており、保存している検体で遺伝子発現を検索予定である。 昨年度1年間で、GnRH受容体がマウスの大動脈プラークの不安定性に関連していること、細胞実験においてGnRH受容体がマクロファージの泡沫化に関連していることがわかったため、さらに解明を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験においては予定していたマウスの解剖は終了し、免疫染色の追加や、組織の遺伝子発現の解析に移ることができている。 細胞実験においても、手技は確立し、再現性の確認や、遺伝子発現の発現の解析に段階を進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験においては腹腔内マクロファージの採取も行うことができたため、遺伝子発現の変化を解析し、GnRH受容体と動脈硬化進展の関連の解明の一助とする。 細胞実験は引き続き、計画通り進捗させる。
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