研究課題/領域番号 |
22K09556
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
小野 政徳 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70348712)
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研究分担者 |
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
大黒 多希子 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 教授 (30767249)
安藤 仁 金沢大学, 医学系, 教授 (50382875)
西 洋孝 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (60307345)
藤原 智子 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 教授 (60310744)
久慈 直昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (80169987)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 概日リズム / 子宮筋腫 / 不妊症 / 性ステロイド / 概日時計 / 時計遺伝子 / 生殖内分泌 / 顆粒膜細胞 / 雌性生殖器官 / 時間生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
視床下部視交叉上核の中枢概日時計と全身各臓器の末梢概日時計は、時計遺伝子の周期的な発現により生体の概日リズムを制御し、生命活動を維持している。我々はこれまでに、マウス子宮で時計遺伝子が24時間の発現リズムを有し、摂食刺激で時計遺伝子の周期的な発現がリセットされることを明らかにした。本研究では、「雌性生殖器官における時計機能の異常が産婦人科疾患(子宮筋腫、不妊症)を誘発するか」という「問い」を掲げ、その詳細な機序解明と新規治療開発を研究目的とした。本研究は時間生物学に立脚した生殖医学を展開し、従来と異なる産婦人科時間生物学の視点から新規治療開発に繋がる研究として計画している。
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研究実績の概要 |
これまでに若年女性の朝食欠食が月経痛と将来の産婦人科疾患を誘発する可能性に警鐘を鳴らした(Fujiwara T, Ono et al. Diagnostics. 2020)。また若年期に月経痛を有した女性は痛みが改善しても妊娠高血圧症候群の罹患リスクが高いことを報告した(Nakayama, Ono et al. J Obstet Gynaecol Res. 2020)。さらにマウス子宮で時計遺伝子が概日リズムを持って発現し、摂食が子宮における末梢概日時計の重要な調節因子であることを報告した(Hosono, Ono et al. Curr Dev Nutr. 2021)。本研究では、子宮内に存在する概日時計の働きが生殖機能に与える影響について解析を進めた。 まず、子宮筋腫と正常子宮筋における時計遺伝子の発現に関する比較解析を行った。具体的には、子宮筋腫によって子宮全摘術を要した患者から子宮筋と子宮筋腫を採取し、それぞれからmRNAおよび蛋白を抽出して、時計遺伝子の発現を比較解析した。また、子宮筋腫と正常子宮筋の初代培養細胞を用いて、時計遺伝子Bmal1をノックダウンすることで、筋腫増大に関わるコラーゲン遺伝子群の発現の変化を追跡した。 また体外受精・胚移植を要する患者の卵巣顆粒膜細胞の時計遺伝子発現解析を行い、卵子発育の障害との関係を解析した。さらに、卵巣顆粒膜細胞細胞株KGN細胞を用いて、Bmal1のノックダウンによってKGN細胞の性ステロイド産生能がどのように変化するかを評価することで、時計遺伝子が性ステロイド産生にどのように関与しているかを調べた。 この研究により、子宮筋腫の発症に関わる分子メカニズムや、時計遺伝子の役割についての理解が深まることが期待される。また、不妊症治療の新しいアプローチ開発にもつながることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト子宮筋腫と卵巣顆粒膜細胞の解析のために倫理委員会の承認を得て、臨床検体を用いて研究を遂行している。今後はさらに詳細に病態メカニズムの解明を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
子宮筋腫の時計機能正常化 子宮筋腫については、NAD+という物質に依存して概日時計遺伝子発現を調節するSIRT1が関与していることが報告されている。子宮筋腫の初代培養細胞に対して、NAD+の合成を促進するニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)やSIRT1活性作用を持つアスタキサンチンを投与し、SIRT1や時計遺伝子、筋腫増大に関わるコラーゲン遺伝子群の発現変化を調べる。
卵巣顆粒膜細胞の時計機能正常化 卵巣の顆粒膜細胞において時計遺伝子が適切に発現することが良質な卵を得るために重要であることが報告されている。そこで、顆粒膜細胞株にNMNやアスタキサンチンを投与して、時計遺伝子発現変化を調べる。さらに、老齢雌マウスにこれらの薬剤投与をして、自然交配率や卵子の体外発生能についてコントロール群と比較し、妊孕性の高い良質な卵を多く獲得するための知見を得ることを目指す。
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