研究課題/領域番号 |
22K09561
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
恒遠 啓示 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70388255)
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研究分担者 |
林 正美 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (00551748)
大道 正英 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (10283764)
田中 良道 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (10625502)
寺田 信一 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (60861242)
田中 智人 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (90411363)
藤原 聡枝 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (90707960)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 硼素中性子捕捉療法 / BNCT / 卵巣癌 / 再発 |
研究開始時の研究の概要 |
婦人科腫瘍において、術後の傍大動脈リンパ節は再発・転移は周囲の組織との癒着が強固な症例が多く、手術による摘出は難しい。放射線照射治療の無効症例も多く、照射後再発に対しては抗がん剤の治療方法しかなく、抗がん剤無効時は予後不良である。硼素中性子捕捉療法は、硼素化合物を予め投与し、熱中性子線照射によりがん選択的殺傷効果を得る次世代粒子線治療であり、最近多種の癌に対し有用であると報告があるが、放射線照射後の腫瘍においても良好な結果であったとの報告もあるので、卵巣癌など放射線照射感受性の弱い婦人科腫瘍で利用可能なのかを基礎的および臨床的検討をすることを本研究の目的とする。
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研究実績の概要 |
卵巣癌は進行期に発見される。卵巣癌への放射線治療は放射線感受性が低いため選択肢にはならない。硼素中性子補足療法(BNCT)は硼素と中性子の核反応のエネルギーにより硼素を取り込ませた癌細胞を選択的に死滅させる治療法で、副作用の少ない新規治療として期待される。BPA(硼素化合物)を用いたBNCTの有効性を検討することを目的としている。研究方法:①BPAはL 型アミノ酸トランスポーター1 (LAT-1:L-type amino acid transporter1)を介して腫瘍細胞内にホウ素が集積されるため、卵巣癌細胞株におけるLAT-1の発現をWestern Blotting法で検証した。②BPAにより卵巣癌細胞株にホウ素が集積されるかどうかを検証するため、異なる濃度・時間でBPAを卵巣癌細胞株に暴露後しホウ素濃度をICP-AESで測定した。また細胞内に取り込まれたホウ素がどの程度の時間残存するかを検証するためBPAを暴露後に一定時間(0.5、1、4時間)経過した卵巣癌細胞株のホウ素濃度を測定した 結果:①卵巣癌細胞株(Caov-3)LAT-1の発現がみられ、BPAによるホウ素の集積が期待される結果であった。②BPAを暴露した卵巣癌細胞株のホウ素濃度はBPAの暴露濃度依存性に増加したが、暴露時間に依存していなかった。BPAを暴露していない状態ではホウ素は30分後には癌細胞から排出されていた。BPAによってホウ素は卵巣癌細胞内に比較的早期に取り込まれた。しかしながらBPAの暴露を解くと早期に細胞外に排出された。 結論:卵巣癌腫瘍はLAT-1の発現がみられ、多くのBPAの集積が期待される。その集積はBPAの濃度には依存するが、時間には依存しなかった。また暴露を解くと比較的早期に細胞外へ代謝されることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中性子照射の機会が限られているが、その実験以外は概ね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
in vitroでBNCTの抗腫瘍効果を検討した後に、in vivoでのBPAの取り込み、抗腫瘍効果を検討していく予定です。
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