研究課題/領域番号 |
22K09563
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
加藤 友康 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (50224522)
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研究分担者 |
白石 航也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 部門長 (80609719)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 子宮頸がん / ゲノムプロファイル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本人子宮頸がんに対する体細胞変異や分子標的薬の適応となるゲノムプロファイルを明らかにする。さらに国立がん研究センター中央病院で子宮頸がんと診断されたが、ゲノム解析が未解析の症例に対してもホットスポット変異解析を行うことで対象となる解析数を増やす。共通した遺伝子異常の有無や予後・臨床病理学的因子との関連解析を行うことで、精度の高い治療方針決定のための基盤的情報の取得を目指す。
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研究実績の概要 |
子宮頸がんの罹患率は20 歳代後半から40歳前後まで増加した後横ばいになるが、39 歳以下では子宮頸がんは乳がんの次に罹患率が高く、若年がんに対する効果的な治療及び予防が必要である。予後因子として病期や組織型が知られており、早期に治療を開始すれば予後良好ではあるが、依然進行がんで発見されるケースも多い。また進行がんに対する分子標的薬はベバシズマブのみであり、がんゲノム解析による新規の治療標的となりうる遺伝子異常の同定が求められている。本研究の目的は、既報の遺伝子異常が検出されなかった症例を対象に全エクソン・RNAシークエンスを実施することで、新たな治療標的になりうる遺伝子異常や免疫シグネチャーを同定である。申請者らは、子宮頸がん116例に対してRNAシークエンスを実施し、STARを用いてhg38にマッピングを行い、遺伝子発現量の算出はRSEMで、融合遺伝子の同定はSTAR-FUSION/ARIBAを用いて検討を行った。その結果、116例中、ROS1融合遺伝子並びにFGFR3融合遺伝子を計4例に認めた。これらの融合遺伝子に対する複数の候補となる分子標的薬が報告されており、治療標的になりうると考えられた。さらにがん種横断的にFGFR融合遺伝子が検出されるか確認するため、C-CAT (21,789例)並びにcbioportal (32,608例)を用いて検討を行った。その結果、子宮頸がんにおいて最もFGFR3融合遺伝子に検出された(1.5-0.6%)。FGFR融合遺伝子にはFGFR1/2/3があり、遺伝子のタイプによって発生するがん種の頻度が異なることを見出した。次年度はさらに高リスク群における予後不良因子を同定するために、術後放射線化学療法を受けた65例を選択し、遺伝子発現量を用いてNMFを用いたクラスタリングを行うことで、予後不良群の同定や免疫シグネチャーの同定を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通り、次世代シークエンス解析を実施する症例の集積並びにRNAシークエンスが進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度も引き続き本研究課題もの目的である既報の遺伝子異常が検出されなかった症例を対象に全エクソン・RNAシークエンスを実施することで、新たな治療標的になりうる遺伝子異常や免疫シグネチャーを同定に努める。特に本邦における子宮頸がんの罹患率は世界最悪であり、HPVワクチンの普及が進まないことからも、今後も増加傾向が続くと考えられている。予後因子として病期や組織型が知られており、早期に治療を開始すれば予後良好ではあるが、依然進行がんで発見されるケースも多い。また進行がんに対する分子標的薬はベバシズマブのみであり、がんゲノム解析による新規の治療標的となりうる遺伝子異常の同定を引き続き行う。次年度は、RNAシークエンスデータより体細胞変異解析を実施し、全エクソンシークエンスデータとの比較なども実施する予定である。
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