研究課題/領域番号 |
22K09566
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江口 聡子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80707810)
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研究分担者 |
田口 歩 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60756782)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | CIN / HPV / HLA / LOH / HPV特異的免疫応答 / 免疫関連遺伝子のゲノム改変 |
研究開始時の研究の概要 |
CINの進展・退縮を予測するには、ウイルス側因子だけではなく、ヒト免疫応答を統合して評価することが重要である。本研究では、CIN患者における抗HPV免疫応答とヒト免疫回避機構を解明し、免疫を指標としたバイオマーカーを確立することを目的とし、 1. TCR-pMHC単一細胞解析を用いて子宮頸部における「HPV特異的免疫応答」を解明するとともに、2. CIN検体におけるHLA変異やPD-L1 amplificationなどの「免疫関連遺伝子のゲノム改変」を検討する。3.蓄積されたコホート検体を用いて、同定した因子がCINの進展や退縮に関わるかを検証する。
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研究実績の概要 |
CIN(cervical intraepithelial neoplasia)におけるHLAのLOH (loss of heterozygosity)の重要性の検証を目的とした。 収集したCIN検体138例を解析対象とし、病理診断を行いCINのグレードにより2群(子宮頸管炎・CIN1群、CIN2・CIN3群)に分けた。またPGMY-CHUV法によりHPV (human papillomavirus) typingを施行した。千葉県がんセンターと共同研究で、HLA-A, B, CのロングリードシーケンスをもとにCINのグレードとHLA-A, B, CのLOHの関連を検討した。結果:子宮頸管炎・CIN1群が69例、CIN2・CIN3群が69例であった。HPV typingの結果、ハイリスクHPVであるHPV16,18,52,58の分布は両群に有意差を認めなかった。HLAのLOHの検証では、子宮頸管炎・CINではHPVの抗原提示能が高い対立遺伝子ほどより頻繁に失われていた。またHLAのLOHはより進行した病状の症例ほど頻繁に認められた。HLAの抗原提示能を喪失することによりHPV(human papillomavirus)が免疫監視メカニズムを回避し、長期的な感染を引き起こすことが示唆された。またHLAのLOHを有する症例は病変の進展リスクを有することが示唆された。今後、HLAのLOHがCIN進行や持続の予後予測となりうるかの検証や、HLA-A, B, CのHPV蛋白に対する親和性を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した通りのペースで進行し、また予想されたHLAのLOHとCINグレードとの相関が検証された。
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今後の研究の推進方策 |
HLAのLOHがCIN進行や持続の予後予測となりうるかの検証や、HLA-A, B, CのHPV (human papillomavirus)蛋白に対する親和性を検討していく予定である。各症例において、可能性のあるすべてのHPVペプチドに対するHLA class I分子の親和性をnetMHCpan (Ver. 4.1)を用いて予測する。 また、子宮頸癌や子宮頸部異形成症例を用いて、HLA-Iの免疫染色を実施する。子宮頸癌においてHLA-Iの発現消失が起こっている頻度を確認する。また、HLA-Iの発現はHLA-IのLOHのみならず、HLA関連遺伝子の変異やHLA領域のメチル化により調整されている。HLA-I発現とその調整機構を明らかにする。
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