研究課題/領域番号 |
22K09595
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
戸田 有朱香 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (00884610)
|
研究分担者 |
澤田 健二郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00452392)
中村 幸司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (00900151)
木瀬 康人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90778531)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | Preeclampsia(PE) / 血清・尿中エクソソーム / 早期診断バイオマーカー / PE関連分子 / miRNA / 尿中エクソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠高血圧腎症 Preeclampsia(PE)は、高血圧および尿蛋白を主症状とし、全身の血管内皮障害に起因する様々な母体および胎児の合併症・死亡を引き起こす産科救急疾患である。ハイリスク症例に対して、妊娠初期(発症前)から Low dose aspirin を内服させることで発症率を低減できるが、現在の医療では PE の有効な早期発症予測方法が存在しない。細胞が分泌する小胞体であるエクソソームは PE を含む様々な疾患の成立に深く関与している。そこで、妊婦健診時の尿を用いて、尿中エクソソームの Profile を解析し、PE に特異的に発現する分子を同定し、 新規診断バイオマーカーとしての臨床応用への有用性について検討する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、妊娠初期に将来の妊娠高血圧腎症 Preeclampsia(PE) 発症を予測できるバイオマーカーを同定することを目的とする。妊婦の尿検体を用いて、細胞外小胞であるエクソソームが伝達するPE関連分子を同定する。2022年4月から2023年12月にかけて、当院においてPEと診断され、分娩誘発を予定された妊婦の分娩時および産褥1か月検診時の尿検体・血液検体を採取収集し、凍結保存した。重症 PE 症例(収縮期血圧 160 以上または拡張期血圧 110 以上、蛋白尿、臓器障害 (血小板減少、肝機能障害、投薬にて改善しない右季肋部痛、心窩部痛、腎機能障害、肺水腫、新規発症の投薬にて改善しない頭痛、視野障害)を認める)3例と妊娠週数をマッチさせた正常妊娠症例3例の尿からエクソソームを抽出した。Exo Urine EV Isolation Kit (サイズ排除クロマトグラフィー法、System Biosciences, LLC)を用いて尿中エクソソームを分離同定し、エクソソームのマーカーであるCD63, CD81, CD9 の発現および胎盤由来マーカーである PLAP の発現を western blot 法で確認し、胎盤由来のエクソソームであることの確認を行った。ナノ粒子解析システムNanoparticle Tracking Analysis (NTA)である NanoSight pro(ナノサイトプロ)を用いてエクソソームの粒度分布プロファイルと濃度を測定し、エクソソームは30-150nmのサイズにあることを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
尿からエクソソームを分離同定するためにExo Urine EV Isolation Kit (サイズ排除クロマトグラフィー法、System Biosciences, LLC)を使用したが、エクソソームのマーカーであるCD63, CD81, CD9 の発現をwestern blot法で確認することが最初困難であった。尿中エクソソームの分離同定法として超遠心法を試していた。また、基準を満たすPE症例・コントロール症例の血清・尿検体を適切な症例数集めることに時間を要した。ナノ粒子解析システムNanoparticle Tracking Analysis (NTA)である NanoSight pro(ナノサイトプロ)を用いてエクソソームの粒度分布ファイルと濃度を測定に時間を要した。
|
今後の研究の推進方策 |
PEに特徴的なエクソソームの内容を評価するにあたりRaybio Human Angiogenesis Array C1000を用いてPE症例に特徴的なmiRNAのプロファイルを網羅的に解析し、コントロール症例と比較する。続いて、validationをみるためにPE症例、コントロール症例の分娩時の血清・尿検体を、症例数を増やして収集し、各々30例ずつを目標に集積予定である。尿検体と一緒に血清を回収しておくことで、ターゲット(PE関連分子)が血中エクソソームにも含まれるかを評価することが可能となり、また先行研究との比較も可能となる。今後は、エクソソームおよびエクソソーム内容の経時的な変化を比較するために、外来妊婦検診時に採取される尿検体を妊娠初期・中期・後期で集積していく予定である。In vitroにおけるターゲットの再構成を検討している。
|