研究課題/領域番号 |
22K09611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
渡部 浩之 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90608621)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 初期胚の性判別 / 発生動態 / 体外受精 / 胚発生 / 性判別 / 初期胚 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、マウス初期胚の発生動態に雌雄差が現れるメカニズムを解明し、発生動態を指標とした完全に非侵襲的な性判別法の実用化を目指す。タイムラプスインキュベーターを利用して初期胚の発生動態を詳細に観察し、発生動態の雌雄差が初期胚のエネルギー代謝によるものか、 受精時の精子進入のタイミングによるものかを明らかにする。また初期胚の網羅的遺伝子解析により性判別における新たなバイオマーカーの探索を行い、 性判別効率を最大化できる培養液の開発を行う。
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研究実績の概要 |
これまで、mW培地でマウス胚を培養したとき、5 細胞への分割が速い胚の約9割が雄胚であることを見出している。そこで以下の実験を行い、発生動態に雌雄差が現れる原因を調査した。 卵子内への精子進入のタイミングに性差があるかを明らかにするために、精子と卵子の共培養時間を短縮したときの受精率を求め、作出された受精卵の性比を調べた。精子の受精能獲得を十分に誘起した(前培養を90分間行った)精子を使用したとき、媒精後10分で22.3%、媒精後20分で78.2%、媒精後30分で94.8%の卵子が受精していた。媒精後10分で受精した卵子の性比を調べたところ、雄の割合が49.2%となり、卵子内への精子進入のタイミングに性差は見られなかった。 マウス胚においてエネルギー要求に雌雄差が存在する結果、雄胚の発生が速くなっている可能性を検証するために、グルタミンとグルコース濃度を改変したKSOM培地内で発生させたマウス胚の発生動態をタイムラプスインキュベーターを用いて詳細に検討した。通常のKSOM培地では、媒精後49時間以内に5細胞に発生した胚のうち雄の割合は48%であった。グルタミンを含まないKSOMおよび高グルコース濃度に改変したKSOMでは、媒精後49時間以内に5細胞に発生した胚のうち雄の割合は各々55および60%となり、培養液の改変は胚の性比に影響しなかった。一方、グルタミン不含かつ高グルコース濃度に改変したKSOMでは、媒精後49時間以内に5細胞期に発生した胚の93%が雄胚となった。 以上の結果から、グルタミン不含・高グルコース環境下で雄胚の発生が速くなることが明らかとなった。これは雌胚と比較して雄胚のグルコース代謝が早期に開始されていることに起因すると推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
若干実験の順序が入れ替わったが、当初予定していた「マウス初期胚の発生動態に雌雄差が現れる原因の解明」について、大まかにではあるが原因を特定することができたため「順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今回の結果から、グルタミン不含・高グルコース環境下で雄胚の発生が速くなり、雌胚と比較して雄胚のグルコース代謝が早期に開始されている可能性が示された。今後は、この点を詳細に解析するために、発生動態に性差が現れるタイミング周辺での遺伝子発現(特にグルコース代謝関連遺伝子)を詳細に解析し、バイオマーカーの探索を試みることで、 性判別効率を最大化できる培養液の開発を目指す。
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