研究課題/領域番号 |
22K09620
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
品川 征大 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (50814472)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 妊娠高血圧腎症 / 胎盤 / 妊娠高血圧症 / エピジェネティクス / 遺伝子発現 / エピゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠高血圧症候群は妊婦の約5%に発症し、重症化すると母体肝腎機能障害や胎児発育不全、常位胎盤早期剥離といった母体・胎児合併症を引き起こし、母児の生命予後や出生児の後遺障害に直結する重要な疾患である。妊娠高血圧症は突然発症し、不可逆的かつ急激に増悪することが多い。本研究では妊娠高血圧腎症の胎盤と正常胎盤とで遺伝子発現の違いとその転写調節機構をヒストン修飾、クロマチン構造、DNAメチル化というエピジェネティックな点から捉え、ゲノム全域に渡り統合的に解析したエピゲノム情報を確立する。このエピゲノム情報を基に、遺伝子発現調節機構という側面から妊娠高血圧腎症の発症メカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
正期産の帝王切開分娩を行う際に同意を得られた正常妊娠症例から、分娩時の胎盤の一部を回収して絨毛細胞の分離を試みた。 絨毛細胞のうち、細胞性栄養膜細胞(Cytotrophoblast;CTB)を胎盤組織から抽出し、さらに濃度勾配を用いた遠心分離法によって血液やその他の細胞を分離した。分離したCTBをさらに数時間、通常酸素濃度で培養することにより、CTBを抽出することが可能であった。線維芽細胞などのCTBではない細胞の混入が少なく、純度が高いCTBが回収できていることを細胞蛍光免疫染色により確認した。 さらに、CTBは通常、培養を継続することにより合胞体性栄養膜細胞(Syncytiotrophoblast ; STB)に分化する。そのため、回収したCTBがSTBへ分化する細胞であることを細胞蛍光免疫染色により確認した。STBへの分化は、cAMP刺激の有無によって評価を行った。cAMPの有無いずれの場合にもSTBへの分化が確認できた。 現在は正常妊娠の帝王切開分娩時の胎盤からのCTB回収とその質の確認、STBへ分化することの確認を行っている。本研究は妊娠高血圧腎症胎盤と正常妊娠胎盤におけるCTBの遺伝子プロファイルの変化を検討するものであり、現在妊娠高血圧腎症胎盤および正常胎盤からのCTBの回収とRNA、DNA回収を行っている。症例数が蓄積できた段階で、遺伝子発現プロファイルの網羅的解析を行う予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
胎盤組織から純度の高い細胞性栄養膜細胞を回収し、その質の確認を行う方法の確立に時間を要した。また、妊娠高血圧腎症胎盤および正常胎盤の症例数確保に時間を要している。 細胞回収の方法は確立できたため、今後は症例数を蓄積し、遺伝子網羅的解析に進むことが可能であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
妊娠高血圧腎症および正常妊娠胎盤の症例蓄積を行う。これらの胎盤から細胞性栄養膜細胞の回収を行ってRNAシークエンス、DNAメチル化解析に提出し、それらのデータの解析を行う予定である。
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