研究課題/領域番号 |
22K09630
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
中井 英勝 近畿大学, 医学部, 講師 (20441082)
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研究分担者 |
松村 謙臣 近畿大学, 医学部, 教授 (20452336)
濱西 潤三 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80378736)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高異型度漿液性癌 / 組織サブタイプ分類 / 化学療法の奏功規定因子 / 卵巣癌 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、卵巣高異型度漿液性癌(HGSOC)の分子標的治療薬は、血管新生阻害薬、PARP阻害薬と免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療を柱に臨床試験が行われている。これらの分子標的治療薬による個別化治療のため、どのような症例にどの分子標的治療薬を用いるべきかを明らかにするためにバイオマーカー探索を行う。
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研究実績の概要 |
(1)卵巣高異型度漿液性癌のバーチャルスライドを用いて、4つの組織サブタイプに分類するアルゴリズムを作成した。4つの組織サブタイプ分類は公開されているTCGA(The Cancer Genome Atlas)のバーチャルスライドをトレーニングセットとしており、すべての研究者がわれわれのサブタイプ分類を確認・実践できるように論文報告した。また4つの組織サブタイプ分類とgene ontology 解析、パスウェイ解析の検証のため免疫組織染色を行った。4つの組織サブタイプのうちMTで血管新生や免疫反応に関する発現が亢進していることを明らかにし、免疫組織染色でも血管新生や免疫反応に関する発現が亢進していることを確認した。これらの結果から、HE標本を用いた4つの組織サブタイプ分類は、血管新生阻害薬の奏功規定因子になり得ることを論文報告した。 (2)PARP阻害薬の長期奏効例のバイオマーカーを解析するため、再発卵巣癌で PARP阻害薬を投与された症例のうち2年以上の長期奏効例と2年未満の奏功不良例の遺伝子発現について、症例集積を終え免疫組織染色にてBRCA1、SLFN11やRAD51、遺伝子パネル検査を解析中である。 (3) 卵巣癌の免疫療法のバイオマーカー解析のためにCRE/ loxPシステムによりPik3ca/Arid1a共変異を生じさせるCRE誘導性のマウス卵巣癌モデルを作成した。このマウスモデルは、今後、卵巣癌の腫瘍免疫の研究に必須となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高異型度漿液性癌のバーチャルスライドを用いた診断のアルゴリズムと血管新生阻害薬の奏功規定因子となりうる可能性について順調に論文化することができた。PARP阻害薬、免疫療法のバイオマーカー解析のための症例集積、モデル構築も順当に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
(1)高異型度漿液性癌のバーチャルスライドを用いた診断のアルゴリズムの標準化と臨床普及を目指すためAIを用いた診断アルゴリズムについて解析を進め論文化を目指す。 (2)PARP阻害薬のバイオマーカー探索としての研究解析を引き続き進めていく。 (3)卵巣癌モデルマウスにおい て、PD-1抗体、IL-6抗体、CTLA-4抗体による免疫療法を行う研究を引き続き進めていく。
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