研究課題/領域番号 |
22K09637
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
長友 啓明 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (30746813)
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研究分担者 |
中村 勇規 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (90580465)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 雄性前核 / 雌性前核 / DNAメチル化 / 核小体 / 1前核受精卵 / 顕微授精 / 初期胚発生 / 発生工学 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の初期胚発生において、受精後の1細胞期胚に特徴的に見られる現象として雌雄前核がある。雌雄ゲノムは別々に雌性前核、雄性前核として1つの細胞の中に別個に存在し、2細胞に卵割する直前に融合し、M期へと移行する。しかしながら、1細胞期に雌雄前核が個別に存在する意味について明らかになっていない。その理由として1前核受精卵を人為的に作出する方法が確立されていないことが考えられる。そこで、本研究では実験動物マウスを用いて、①1前核受精卵の効率的な作製方法の開発、②1前核受精卵由来胚および産仔の正常性に関する網羅的な調査をおこなう。
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研究実績の概要 |
哺乳類の初期胚発生において、受精後の1細胞期胚に特徴的に見られる現象として雌雄前核がある。雌雄ゲノムは別々に雌性前核、雄性前核として1つの細胞の中に別個に存在し、2細胞に卵割する直前に融合し、M期へと移行する。受精の判定方法として、第二極体の放出と雌雄それぞれの前核を顕微鏡下で確認することで受精卵、未受精卵、単為発生が判定可能である。近年、単為発生と判定される1前核胚においても受精卵が含まれることが報告されている。したがって1前核受精卵を有効利用することが可能であれば不妊治療のみならず貴重な遺伝資源の活用という観点で非常に有益である。しかしながら、1前核受精卵に関するこれまでの知見はコホート研究以外では、基礎的な研究はほとんど報告されていない。その理由として1前核受精卵を人為的に作出する方法が確立されていないことが考えられる。そこで、本研究では実験動物マウスを用いて、①1前核受精卵の効率的な作製方法の開発、②1前核受精卵由来胚および産仔の正常性に関する網羅的な調査をおこなった。 当該年度は昨年度開発した効率的な1前核受精卵の作製手法を用いて、1細胞期の通常胚および単為発生胚との比較解析を重点的に行った。1前核受精卵では核内に存在する核小体の数が有意に変化することが明らかとなった。また、5mcと5hmcにより免疫染色することで核小体形成位置に特徴的なパターンが見られた。次に移植すると産子率は正常胚と比較しわずかに低下するものの産子は通常の寿命であり、繁殖能力も確認された。本研究から、1前核胚は有意に核小体の数と位置が変化することがわかり、染色体数と核小体の構造の関係が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的である①1前核受精卵の効率的な作製方法の開発、②1前核受精卵由来胚および産仔の正常性に関する網羅的な調査に関してはほぼ達成できた。 また、単為発生胚と1前核受精卵の構造的な違いについても明らかにすることができ、明視野での目視による判別が可能となったため、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現在、RNAseqによる網羅的遺伝子発現解析を行っている。通常胚、1前核受精卵、体細胞クローン胚それぞれの2細胞期胚を比較解析することで、遺伝子発現パターンを調査する。ここまでのデータで論文投稿を予定している。
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