研究課題/領域番号 |
22K09660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
鈴木 仁美 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (40896073)
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研究分担者 |
川嵜 洋平 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (00644072)
山田 武千代 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (70283182)
大森 泰文 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (90323138)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 甲状腺癌 / GPNMB |
研究開始時の研究の概要 |
GPNMBは細胞分化や再生に関与する膜タンパク質である。近年、乳癌や悪性黒色腫でGPNMBが発現しているものは、癌幹細胞と上皮間葉系転換を誘導する性質を有する事が報告され、欧米では治療標的として注目されている。一般的に甲状腺乳頭癌は予後良好であるが、中には悪性度の高いものもあり、同じ病理学的所見でも鑑別が難しい。また、未分化癌は極めて予後不良であり、現在に至っても未だ治療法が確立されていない。甲状腺癌におけるGPNMBの役割を解明する事で、高悪性度の甲状腺癌の新規治療法を確立することが目的である
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研究実績の概要 |
GPNMBは癌幹細胞や上皮間葉転換との関連が指摘され、癌治療において大きな注目を集めているが、甲状腺癌におけるGPNMBの機能は不明である。本研究では、臨床検体を免疫染色し、in vitroにおけるGPNMB陽性細胞の特徴と予後との関連を明らかにすることを目的とした。in vitroで甲状腺癌細胞株におけるGPNMB陽性細胞のコロニー形成能、浸潤能、遊走能を調べた。また、全生存期間と無増悪生存期間を評価するため、当院で治療・経過観察中の患者86人の甲状腺乳頭癌をGPNMBで免疫染色した。甲状腺がん細胞株におけるGPNMB陽性細胞の割合は、フローサイトメトリーの結果より甲状腺乳頭癌、甲状腺未分化癌でいずれも約15%であった。甲状腺乳頭癌、未分化癌細胞株からそれぞれGPNMB陽性細胞と陰性細胞をFACSで分離し、コロニー形成能、浸潤能、遊走能を比較するとGPNMB陽性細胞でいずれも亢進していた。ヌードマウスに皮下移植したところ、GPNMB陽性細胞で腫瘍形成を認めた。臨床検体において乳頭癌においてGPNMB陽性群が予後不良だった。以上より、GPNMB陽性細胞がCSCの特徴をもち、EMTを誘導することが示唆された。抗GPNMB抗体における効果については現在検討中である。Ki67などの腫瘍増殖能マーカー、EMTマーカーも免疫染色を追加する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
in vitro, in vivoでGPNMB陽性細胞がCSCの性質を持つことが示されたが、フローサイトメトリーやオールインワン顕微鏡などの研究機器の修理が数か月に及び、進捗状況がやや遅れたと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
GPNMBを標的とする完全ヒトモノクローナル抗体-薬物複合体glembatumumab vedotin(CDX-011)を使用して、GPNMB陽性細胞の腫瘍能、浸潤能、遊走能の評価を行う。Ki67などの腫瘍増殖能マーカーなども免疫染色を追加して行う。
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