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ヒトiPS細胞由来気道上皮細胞移植における生着効率向上因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K09666
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
研究機関京都大学

研究代表者

桑田 文彦  京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (20774459)

研究分担者 大西 弘恵  京都大学, 医学研究科, 特定助教 (50397634)
岸本 曜  京都大学, 医学研究科, 准教授 (80700517)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード気管 / ヒトiPS細胞 / 気道上皮細胞 / トランスクリプトーム / 免疫不全ラット / 線毛上皮細胞 / 気道上皮 / 移植 / トランスクリプトーム解析
研究開始時の研究の概要

気道上皮は異物を排出する機能を担っているため、障害されると易感染性となる。申請者らはヒトiPS細胞由来気道上皮細胞移植治療による気管欠損部の早期上皮化を目指し、免疫不全ラットへの移植モデルを確立しているが、生着効率は低く実験ごとのばらつきも大きいため、改善が必要である。そこで本研究では上記移植モデルを用い、移植部位組織の経時的トランスクリプトーム解析により生着効率に関与するドナー側、レシピエント側の因子の探索と、移植細胞生着効率向上法の開発を目指す。本研究結果により移植細胞生着効率が向上すれば移植時のヒトiPS細胞由来細胞生着メカニズムの解明や細胞移植治療への大きな貢献となる。

研究実績の概要

気管は呼気の通り道として重要であり、その管腔面を覆う気道上皮は呼気中の異物を排出する機能を担っているため、障害されると易感染性となり、時として生命にかかわる。申請者らはヒトiPS細胞由来気道上皮細胞移植治療による気管欠損部の早期上皮化を目指し、免疫不全ラットへの移植モデルを確立しているが、生着効率は低く実験ごとのばらつきも大きいため、改善が必要である。
本研究では、我々が既に確立しているhiPSC由来気道上皮移植免疫不全ラットにつき一般的な移植条件を再検討することでI.移植効率の高い移植条件を検討し、その移植条件を用いて作製した移植モデルのII.移植部組織を採取し、遺伝子発現解析により、移植細胞生着に関与するホストとレシピエント双方の遺伝子群の選定をおこない、III.解析結果から想定される移植効率向上因子の調節による生着効率向上法の確立を目指す。
今年度は昨年度までに検証した移植細胞の分化ステージやヒトiPS細胞由来気道上皮細胞シートで被覆した人工気管の移植における術式、などの条件につき、最も生着効率を向上させると考えられる条件でヒトiPS細胞由来気道上皮の移植を行い、昨年度までに検討し確定した条件で採取された組織からRNA抽出後、RNAの品質評価を行い、昨年度の解析に追加して新たなサンプルで追加のトランスクリプトーム解析を行った。またコントロールとして細胞なしで足場のみ移植した移植部組織のトランスクリプトーム解析も行った。今回解析用に受託先に提出したRNAの質が悪く、進めるかどうかためらわれたが、再移植に時間もかかり動物も無駄になるため、そのままRNA-seqを進めていただいた。先に解析したものである程度のデータが得られていれば、その検証という形で今回のデータを用い、最終的な検証を免疫染色や移植時の薬剤添加などで等実験的に証明していきたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

サンプルを追加し、予定していたトランスクリプトーム解析を終えられたが、サンプルの質が悪かったことが判明したが、一応RNA-seqまで進め、データを取得した。解析可能かどうか、受託先と相談しており、次年度の予算でそのまま発現解析を行うか、追加のサンプルを提出するか検討中である。

今後の研究の推進方策

今後以下の検討を行う。まず、hiPSC由来気道上皮移植ラット移植部組織の遺伝子発現解析を引き続き行う。トランスクリプトーム解析を行い、含まれるヒト遺伝子、ラット遺伝子につき、以下の検討を行う。検出されるヒト細胞由来遺伝子のリード数が多い個体を生着効率の高い個体と定義し、下記検討を行う。
i)ドナー側の解析:移植細胞での発現変動遺伝子群の選別:ヒト細胞の発現遺伝子に着目し、生着効率が高い/低い個体に特異的な遺伝子群を同定し、移植細胞側で生着に関与する遺伝子群やそこから推測されるカスケードを選定する。
ii) レシピエント側の解析:生着効率が高い/低いラットでの発現変動遺伝子群の選別:ラット細胞の発現遺伝子に着目し、生着効率が高い/低い個体に特異的な遺伝子群を同定し、レシピエントラット側で生着に関与する遺伝子群やそこから推測されるカスケードを選定する。
本項目で選定された遺伝子の発現・機能を調節するグロースファクター及び小分子化合物、もしくは選定されたカスケードをアップ/ダウンレギュレートする小分子化合物等を移植効率向上因子として選定する。移植効率向上因子が選定されれば、移植効率向上因子の調節による生着効率向上の検証を行う。ヒトiPSC由来気道上皮細胞を移植したラットの移植部切片を用い、同定された遺伝子の発現と生着効率の相関をin situハイブリダイゼーションや免疫染色、qRT-PCR等で確認する。さらに、同定因子の添加による生着効率向上の検証を行う。生着効率向上機能が予測されるものにつき、それらを調節するグロースファクターや小分子化合物を移植時の投与または人工気管やコラーゲンビトリゲルからの徐放等で作用させ、実際に生着効率向上に効果があるか、移植部位のヒト核抗体染色など組織学的評価により検証する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Comparative Study of Immunodeficient Rat Strains in Engraftment of Human-Induced Pluripotent Stem Cell-Derived Airway Epithelia2024

    • 著者名/発表者名
      Hayashi Yasuyuki、Ohnishi Hiroe、Kitano Masayuki、Kishimoto Yo、Takezawa Toshiaki、Okuyama Hideaki、Yoshimatsu Masayoshi、Kuwata Fumihiko、Tada Takeshi、Mizuno Keisuke、Omori Koichi
    • 雑誌名

      Tissue Engineering Part A

      巻: 30 号: 3-4 ページ: 144-153

    • DOI

      10.1089/ten.tea.2023.0214

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Changes in the Proportion of Each Cell Type After hiPSC-Derived Airway Epithelia Transplantation2024

    • 著者名/発表者名
      Kitano Masayuki、Hayashi Yasuyuki、Ohnishi Hiroe、Okuyama Hideaki、Yoshimatsu Masayoshi、Mizuno Keisuke、Kuwata Fumihiko、Tada Takeshi、Kishimoto Yo、Morita Satoshi、Omori Koichi
    • 雑誌名

      Cell Transplantation

      巻: 33

    • DOI

      10.1177/09636897241228026

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Laryngeal Cartilage Regeneration of Nude Rats by Transplantation of Mesenchymal Stem Cells Derived from Human-Induced Pluripotent Stem Cells2023

    • 著者名/発表者名
      Mizuno Keisuke、Ohnishi Hiroe、Yoshimatsu Masayoshi、Zhao Chengzhu、Hayashi Yasuyuki、Kuwata Fumihiko、Kaba Shinji、Okuyama Hideaki、Kawai Yoshitaka、Hiwatashi Nao、Kishimoto Yo、Sakamoto Tatsunori、Ikeya Makoto、Omori Koichi
    • 雑誌名

      Cell Transplantation

      巻: 32

    • DOI

      10.1177/09636897231178460

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Transplantation of Induced Pluripotent Stem Cell-Derived Airway Epithelia with a Collagen Scaffold into the Nasal Cavity2023

    • 著者名/発表者名
      Kitada Yuji、Ohnishi Hiroe、Yamamoto Norio、Kuwata Fumihiko、Kitano Masayuki、Mizuno Keisuke、Omori Koichi
    • 雑誌名

      Tissue Engineering Part C: Methods

      巻: 29 号: 11 ページ: 526-534

    • DOI

      10.1089/ten.tec.2023.0074

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] hiPSC由来気道上皮移植後の移植前後における各種構成細胞の割合の変化2024

    • 著者名/発表者名
      大西 弘恵、林 泰之、北野 正之、奧山 英晃, 吉松 誠芳, 水野 敬介, 桑田 文彦, 多田 剛志, 岸本 曜, 森田 智視, 大森 孝一
    • 学会等名
      第23回 日本再生医利用学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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