研究課題/領域番号 |
22K09691
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 真人 自治医科大学, 医学部, 教授 (50283106)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 滲出性中耳炎 / 急性中耳炎 / OCT / 生成AI / 中耳炎 / 鑑別診断 / Wide Band Tympanometry |
研究開始時の研究の概要 |
これまで見ることのできなかった鼓膜断面や中耳状態の可視化技術(OCT)等の、新規診断技術を融合することで、次元の異なる中耳病変の鑑別診断法を確立する。 従来の診断法では、小児滲出性中耳炎と急性中耳炎の鑑別診断はしばしば困難であった。これまで見ることのできなかった鼓膜断面や中耳状態の可視化技術である光コヒーレンストモグラフィー(OCT)や、その他の新しい診断技術を融合することで、小児滲出性中耳炎や急性中耳炎、その他の中耳病変の、全く次元の異なる鑑別診断法を確立することで、抗菌薬や外科治療の適応判断が可能か検証する。
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研究実績の概要 |
小児急性中耳炎と小児滲出性中耳炎とは 相互に移行する関係にあり,その境界を厳密に分けることが難しく、①急性中耳炎と滲出性中耳炎の鑑別は、我々耳鼻咽喉科医にとってもしばしば困難であることから、確定診断のためには全く新しい診断法が必要である。 このために、外来診察時の検討を行っている。従来の診断法である、鼓膜所見、インピーダンス・オージオメトリ検査、側頭骨レントゲン検査などに加えて、新しい診断法である、・光コヒーレンストモグラフィー(OCT)・マルチフリークエンシーティンパノメトリー(MFT)・鼓膜画像所見(含NBI)・鼓膜サーモグラフィー技術などの各種診断技術で得られた所見をOpenCVを用いたAI診断技術を用いて統合することで、小児滲出性中耳炎と急性中耳炎の鑑別診断が可能かどうかを検証している。 とくに、2022年頃から爆発的に普及している生成AIについて、耳鼻咽喉科領域を中心に医療分野でどのように活用できるかについて、滲出性中耳炎と急性中耳炎の鑑別診断が可能かどうか? 小児科医、耳鼻咽喉科レジデント、耳鼻咽喉科専門医について、その正答率を比較して、生成AIによる鑑別が現在使用できるものを用いてもある程度可能であることを示して、次の論文にまとめた。Feasibility of Multimodal Artificial Intelligence using Generative Pre-Trained Transformer 4-Vision for the Classification of Middle Ear Disease。がJMIR AI誌にアクセプトされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光コヒーレンストモグラフィー(OCT)を用いた検証は、機器の故障の修理中でやや遅れているが、生成AIを用いた鑑別診断という新しいテクニックを導入しており、すでに論文もひとつアクセプトされている。
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今後の研究の推進方策 |
外科的介入時に、OCTやMFT、鼓膜所見(含NBI)、鼓膜サーモグラフィー所見と鼓室内病態の比較検討を行う。鼓膜チューブ留置術施行時にはレーザー鼓膜開窓により全く出血のない状態で中耳貯留液を採取し、好中球浸潤、ウイルスや細菌のPCR法による検出、サイトカイン(IL-2,6,8など)、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)などを測定する。さらに鼓室形成術では鼓室内組織の病理学的検討を行うとともに、外科的介入前後での鼓膜と鼓膜裏面のBiofilmの評価を行う。さらに、中耳炎モデル動物を用いて、中耳の組織学的病態との関連性の検討を行う。 合わせて、滲出性中耳炎や急性中耳炎だけではなく、その他の中耳病変(先天性真珠腫や腫瘍など)の鑑別診断に生成AIが活用できるかについて、検討を進める。
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