研究課題/領域番号 |
22K09693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
乾 崇樹 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (60465614)
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研究分担者 |
森 禎章 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 名誉教授 (70268192)
萩森 伸一 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (90291799)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 前庭性片頭痛 / メニエール病 / モデル動物 / 蝸牛内直流電位 / CGRP / 片頭痛発作誘発 / メニエール病モデル動物 / 内耳血流 / 内リンパ水腫 |
研究開始時の研究の概要 |
前庭性片頭痛とメニエール病は、反復するめまい発作や聴覚症状など症状の類似があり、また互いに合併、重複が見られる。またその病態には片頭痛に類似した神経障害や内リンパ水腫など共通した病態の存在が指摘されている。 本研究では「両疾患に共通する病態として、内耳血流の変化に起因して生じる内リンパ水腫が関係しているのではないか」と考え、メニエール病モデル動物に薬剤投与などで片頭痛発作を誘発させ、さらに治療投薬を行い、聴覚および平衡機能、内リンパ水腫の評価を行い病態解明に迫る。
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研究実績の概要 |
前庭性片頭痛とメニエール病はめまい発作や聴覚症状を繰り返すなど症状が類似し、互いに合併が多く重複する例もあることが知られている。片頭痛における皮質拡延性抑制(CSD)様の神経障害や内リンパ水腫など、両疾患に共通する病態の存在が指摘されているものの、いまだいずれも証明に至っていない。本研究では、両疾患における内耳血流の重要性に着目し、メニエール病のモデル動物に片頭痛発作の誘発刺激を行い、内耳血流と聴覚および平衡機能の変化、内リンパ水腫の程度を観察することで、前庭性片頭痛における内耳血流と内リンパ水腫の関係を明らかにすることを目的としている。 現在、過去に報告されているメニエール病のモデル動物を安定して作製するための実験を行っているが、実験環境の整備に時間を要したため動物実験は十分に行えていない。このため動物を用いての研究には遅れが出ているが、その間にモデル動物を用いて再現しようと考えていた病態の臨床症例の解析を行った。結果、メニエール病に頭痛を合併している例は女性が多いこと、同時に末梢前庭系を介した検査での機能障害を認める率が高いことが確認された(論文は英文誌に掲載)。メニエール病例に合併していた頭痛の大半は片頭痛であり、片頭痛自体が女性に多いことも影響していると思われるが、頭痛の合併のないメニエール病患者の多くが男性であったことも確認された。また頭痛合併の有無で差を認める検査結果も確認できており、これらの得られた知見は今後の実験継続において、内容の効率化と正確性の確保に有用であると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規の実験室に機器のセッティングを行った。この時、使用する動物の脱走を防ぐための設備設置において、所属機関がこれまで発注をかけていた業者が廃業していたため、新規の業者を探すこととなり、結果として動物実験が十分に行えなかった。 このため動物を用いての研究は出来なかったが、モデル動物を用いて再現しようと考えていた病態の臨床症例の解析を行い、メニエール病に頭痛を合併している例は女性が多いこと、同時に末梢前庭系を介した検査での機能障害を認める率が高いことが確認された。
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今後の研究の推進方策 |
現在得られているヒトを対象とした臨床研究の結果から、基本的にメニエール病と片頭痛が併存している状況の検討はメスのモルモットを用いて進めることが効率的であると考えられたため、メスを用いて行っていく予定である。同時にこのモデル動物とコントロール動物との比較のみでなく、オスのモデル動物との比較でも病態の違いが存在する可能性が示唆されているため、今後得られる実験結果から必要に応じ、効率的な実験推進の調整を行っていく予定である。
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