研究課題/領域番号 |
22K09705
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 良 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (30706700)
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研究分担者 |
喜多 知子 京都大学, 薬学研究科, 講師 (20362519)
河合 良隆 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (50862223)
岸本 曜 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80700517)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 甲状腺癌 / 糖鎖解析 / 腫瘍マーカー / エクソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
内分泌系悪性腫瘍で最多の甲状腺分化癌は比較的予後の良い癌として知られているが、気 管や食道などの周囲組織への浸潤や遠隔転移、未分化転化をきたし生命予後に関わることもある。しかしながら、信頼性の高いバイオマーカーは確立されていない。 そこで、本研究では、エクソソームに含まれる糖鎖を網羅的に解析することで甲状腺癌に対する新規バイオマーカーの発見を目指す。
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研究実績の概要 |
甲状腺癌は、分化癌が大半を占め、比較的予後の良い癌として知られている一方で、頸部リンパ節転移や遠隔転移をきたし、生命予後に関わる場合がある。また稀に未分化転化をきたし急速に進行する。医療現場で診断の指標とされる血中サイログロブリンは、一部の症例では病勢を反映するものの、感度や自己抗体の影響の点で課題が残る。本研究の目的は、エクソソームEVの網羅的糖鎖解析により、甲状腺癌診療における診断マーカー、特に未分化転化マーカーを探索することである。 今年度は、患者血清および細胞株由来EVのレクチンアレイから得られた甲状腺癌に特徴的な糖鎖プロファイル(Core Fucose, High-Mannose, Bisecting GlcNAc, Sialic acid等)を持つ蛋白の同定に向けて、以下の検討を進めた。まず、上記の糖鎖構造を認識するレクチンを用いて細胞株由来EVのレクチンブロットLBを行った結果、4通りのサイズのメインバンド(300, 130, 90, 65)が確認された。細胞株由来EVの銀染色バンドの質量分析から、300kDaのバンドはフィブロネクチンであると推察された。そこで、フィブロネクチン抗体による免疫沈降IPサンプルをLBしたところ、細胞で検出された300kDaのバンドがEVで検出できなかった。ここで、レクチン沈降LPサンプルをフィブロネクチン抗体でWBしたところ、細胞とEVともに300kDaのバンドが得られたものの、レクチンによる大きな差異がなかった。 今後は、上記の疑問点に対して、免疫沈降の効率と特異性を上げる目的で、ライセート調製の条件検討を行うとともに、糖鎖切断酵素を用いた検証実験を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度、患者血清と培養細胞上清の2種類のサンプルの糖鎖解析から選定された、癌化と関連する可能性の高い「糖鎖プロファイル」を有する糖タンパク質の候補の1つとして、フィブロネクチンを選んだ。現在、レクチンアレイに結び付くデータ検証を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、免疫沈降の効率と特異性を上げる目的で、ライセート調製の条件検討を行うとともに、糖鎖切断酵素を用いた検証実験を行う。必要に応じ、質量分析によるフィブロネクチンの糖鎖構造の同定も検討する。
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