研究課題/領域番号 |
22K09709
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
吉江 進 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (70705459)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | iPS細胞 / 分化 / 気道上皮 / 膜輸送体 / 杯細胞化生 / 気道 |
研究開始時の研究の概要 |
喘息に伴う気道のリモデリングは、気道上皮の杯細胞化生、粘膜下腺過形成、基底膜下の線維化、平滑筋の肥厚を特徴とする。特に、異常な杯細胞分化によって引き起こる杯細胞化生は、過剰な粘液産生によって気道閉塞をきたすことから、杯細胞化生機構の解明が急務とされている。申請者は、マウスiPS細胞から気道上皮組織への分化誘導過程において、CFTRチャネル等の気道上皮膜輸送体の機能を抑制するGlibenclamideを添加した際に、杯細胞分化が促進されたことから、Glibenclamide標的膜輸送体が杯細胞化生に関与していることを見出した。本研究は、気道上皮膜輸送体の観点から杯細胞化生機構の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
研究背景:喘息に伴う気道のリモデリングは、気道上皮の杯細胞化生、粘膜下腺過形成、基底膜下の線維化、平滑筋の肥厚を特徴とする。特に、異常な杯細胞分化によって引き起こる杯細胞化生は、杯細胞からの過剰な粘液産生によって気道閉塞をきたし呼吸不全を招くことから、杯細胞化生機構の解明が急務とされている。マウスiPS細胞から気道上皮組織への分化誘導過程において、Glibenclamideを添加した際に、杯細胞分化と粘液産生が促進されたことから、Glibenclamide標的膜輸送体が杯細胞化生に関与していることが示唆された。研究目的:本研究では、iPS細胞及び杯細胞化生モデルマウスを利用し、気道上皮膜輸送体の観点から喘息気道における杯細胞化生機構の解明を目指す。研究実施内容:Glibenclamideは、クロライドイオンチャネルであるCFTRチャネル、ATP感受性カリウムチャネル、多剤耐性トランスポータであるMDR等の機能を抑制することが知られているが、TRPチャネルであるTRPM4も標的とし、機能を抑制することが報告されている。このため、TRPM4も含めて気道上皮細胞で発現しているTRPチャネルをデータベースより網羅的に調べ、各々のチャネル阻害剤をiPS細胞から気道上皮組織への分化誘導過程において添加した。その結果、TRPM4やTRPV2の阻害剤を添加した際に、杯細胞マーカーであるMuc5acの発現量が上昇傾向にあった。また、ヒトiPS細胞から杯細胞化生モデルを作製するために、ヒトiPS細胞から気道上皮組織への分化誘導を試みた。ヒトiPS細胞から分化誘導した分化細胞は、胚体内内胚葉や前方前腸内胚葉マーカーの発現が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスiPS細胞から気道上皮組織への分化誘導効率がサンプル間でばらつき、TRPM4やTRPV2などの各種阻害剤を添加した際に得られる結果が一定ではなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
マウスiPS細胞から気道上皮組織へ分化誘導させる過程でTRPM4やTRPV2の阻害剤を添加した際に、杯細胞マーカーであるMuc5acの発現量が上昇傾向にあった。このため、リアルタイムRT-PCRによる遺伝子発現量の解析だけではなく、形態学的な解析も行い、杯細胞への分化を評価する。また、ヒトiPS細胞から気道上皮組織への分化誘導を試み、TRPM4やTRPV2などの各種阻害剤を添加した際に、杯細胞への分化が促進されるのかを検証する。
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