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甲状腺癌FNAマーカーとしてのIL-1RNの実用化と新たな分子標的治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K09722
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
研究機関福井大学

研究代表者

成田 憲彦  福井大学, 学術研究院医学系部門, 客員教授 (80345678)

研究分担者 伊藤 有未  福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (00646458)
高林 哲司  福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (70397272)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード甲状腺がん / IL-1RN / 乳頭癌 / 増殖 / 分子標的治療 / 穿刺吸引細胞診(FNA) / 液状化細胞診(LBC) / 甲状腺癌 / FNA / LBC
研究開始時の研究の概要

本研究では甲状腺FNAにおけるclass Ⅲ(鑑別困難)例から、効率的に悪性を検出する実用可能な新規LBC免疫染色マーカーの同定・確立を目指す。初期実験としてのPCRアレイ解析で、乳頭癌でIL-1RNの発現が良性腫瘍に比べ有意に増加していることが解った。FNA(LBC)サンプルを用いてIL-1RNを染色し、手術後の病理診断と比較検討した結果、IL-1RNが陽性的中率100%で悪性を検出することを見出した。本研究でIL-1RNの甲状腺癌FNA(LBC)診断マーカーとしての実用化を目指し、さらに乳頭癌における機能を解析することで、新規分子標的治療の可能性を明らかにする。

研究実績の概要

甲状腺良性腫瘍(n=5)と乳頭癌(n=5)のmRNAでPCRアレイにより2群間の遺伝子発現の差違を解析した。この結果、乳頭癌でIL-1RNが約7.4倍に高発現していることが解った。臨床応用可能なマーカーは免疫染色で判定できるものが理想である。そこでFFPEブロックを用い、IL-1RNの発現を免疫組織染色で確認した。甲状腺良性腫瘍20例、乳頭癌69例を免疫染色したところ、IL-1RNは乳頭癌で有意に高発現していることを確認した。次に初期実験として実際のFNAサンプル(LBC)で もIL-1RNが染色できることを手染めによる免疫染色で確認した。当院ではLBCサンプルの免疫染色は、自動免疫染色装置(Leica社製BOND-III)で行っている。実臨床と同じくIL-1RNを自動免染できるかを20例のLBCサンプルで検討したところ、問題なく染色できることが解った。更に23例を追加検討し、手術標本の最終病理結果と比較した。この結果、IL-1RNの陽性的中率は100%であることが明らかとなった。また既知のマーカーであるCD15との併用で診断すると、正診率81%、感度も77%と良好な結果が得られた。これはFNAの結果、細胞形態から診断がつかなくとも、IL-1RNあるいはCD15の少なくともどちらかが陽性であれば、100%悪性腫 瘍であり全悪性腫瘍の77%を検出している、ということを意味する。この結果はIL-1RNの臨床応用の可能性を示すものと考える。現在症例数を120~150例に増やし、甲状腺癌診断マーカーとしての確立・実用化を研究中である。また甲状腺乳頭癌細胞幹部MDA-T32にリコンビナントIL-1RNを添加し、24時間後にMTTアッセイで細胞生存能を解析したところ、IL-1RNは濃度依存性に乳頭癌細胞右の増殖を誘導することが解った。これらのことから、IL-1RNは甲状腺乳頭癌の新規標的分子となる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在計画通り、症例数を蓄積中である。

今後の研究の推進方策

免疫染色のサンプル数を手術検体、FNAサンプルとも150程度に増やし最終解析とする。細胞株を用いたIL-1RNの機能解析で浸潤・転移能に関係するかを解析する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Liquid-based cytology (LBC) with immunocytochemical staining improves fine-needle aspiration cytology (FNA) performance for salivary gland tumors2023

    • 著者名/発表者名
      Junya Kimura, Norihiko Narita, Yoshiaki Imamura, Takahiro Tokunaga, Masaki Mori, Haruka Matsukawa, Kazumi Furuichi, Yumi Ito, Yoshimasa Imoto, Tetsuji Takabayashi, Shigeharu Fujieda
    • 雑誌名

      Pathol Res Pract .

      巻: 248 ページ: 154582-154582

    • DOI

      10.1016/j.prp.2023.154582

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 頭頸部癌のcancer cell aggregatesにおける化学放射線耐性メカニズムの解析2023

    • 著者名/発表者名
      成田憲彦 伊藤有未 菅野真史 杉本千鶴 藤枝重治
    • 学会等名
      第47回日本頭頸部癌学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 当科における睫毛下・経上顎洞Combined approachによる眼窩底骨折再建術の検討2022

    • 著者名/発表者名
      成田憲彦、斎藤杏子、宮本大輔、加藤永一、小山佳祐、菅野真史、岡本昌之、藤枝重治
    • 学会等名
      第31回日本頭頸部外科学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] CD82を標的とした頭頸部癌後発転移の抑制2022

    • 著者名/発表者名
      成田憲彦、伊藤有未、菅野真史、杉本千鶴、藤枝重治
    • 学会等名
      第46回日本頭頸部癌学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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