研究課題/領域番号 |
22K09723
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西尾 直樹 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (90732719)
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研究分担者 |
神田 光郎 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (00644668)
中黒 匡人 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (00718356)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 蛍光イメージング / リンパ節転移 / 抗体医薬 / 蛍光内視鏡 / 蛍光外視鏡 / 腫瘍特異抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、前臨床モデルにおいて腫瘍特異抗体を用いた蛍光イメージングを応用して、リンパ節転移を早期かつ確実に同定できるかを実証し、さらにリンパ節内での抗体の分布も検証することで、臨床応用への検討とその課題を明らかにする。計画している具体的な研究は、①扁平上皮癌のリンパ節転移モデルマウスの作成と蛍光イメージングの検証、②手術中のリンパ節転移診断のための軟性内視鏡を用いたin vivo実験、③摘出リンパ節内における抗体の腫瘍内分布のex vivoでの検証、の3つである。
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研究実績の概要 |
本研究は、前臨床モデルにおいて腫瘍特異抗体を用いた蛍光イメージングを応用して、リンパ節転移を早期かつ確実に同定できるかを実証し、さらにリンパ節内での抗体の分布も検証することで、臨床応用への応用を目指すものである。R4年度では、まず蛍光イメージングにおける腫瘍モデルの開発と蛍光内視鏡への応用を検証した。
R5年度では、さらにがんを想定したモデルを開発し、イメージング機器として蛍光モードの外視鏡を使用した。この新たな腫瘍モデルを臨床と同じように電気メスにて切除したところ、残存腫瘍が蛍光モードの外視鏡にて同定することができた。外視鏡で詳細に観察しながら追加切除することで、腫瘍の取り残しを同定することができ、臨床応用が可能なことを実証した。
また、R5年度では、免疫不全マウスに対して、ヒト咽頭癌の細胞株を、舌に注入して舌癌、リンパ節転移モデルを作成した。抗EGFR抗体-IRDye680試薬の全身投与を行い、またICGを舌に局注を行い、それぞれの試薬の分布を検証した。どちらの試薬もセンチネルリンパ節には他のリンパ節に比較して、より強い蛍光強度を示した。また蛍光顕微鏡での解析でも、それぞれの試薬がリンパ節内で異なる分布を示していることがわかった。これらの解析がさらに進むことで、リンパ節内における血流やリンパ流の流れを蛍光イメージングの手法により明らかになることが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
蛍光イメージングの臨床への応用のために、まずは腫瘍ファントムを用いて実験を行った。腫瘍モデルの作成や蛍光内視鏡、外視鏡への応用については研究が進んでおり順調に進捗できている。動物モデルについては、舌癌のリンパ節転移モデルを作成することができて実際に種々の試薬を投与してその分布を評価することができた。舌への腫瘍移植においては、局所の腫瘍が増大する傾向にあり、リンパ節転移の頻度が想定よりは少なかった。そのため、注入する腫瘍量を調整して、リンパ節転移を起こしやすくする工夫を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
蛍光イメージングの機器の開発や検証については順調に行えている。引き続き、種々の蛍光物質についてさらなる検証を行っていく予定である。 動物モデルについては、検証するべきモデルの作成が完了した。センチネルリンパ節転移への応用も同時に行うため、他の研究機関とも連携して、リンパ節の顕微鏡レベルでの詳細な解析を行う予定である。
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