研究課題
基盤研究(C)
扁平上皮固有の乳頭層部分に存在する血管の異常が扁平上皮癌に見出されることを利用して病変を描出する狭帯域内視鏡が開発され、これまで決してみつかることのなかった頭頸部領域における早期の扁平上皮癌が見つかるようになった。肉眼的に明瞭な間質の異常(=血管の異常)が病変の重要な成因であること気づかせてくれたが、実質の変化と間質の変化が呼応する必然性や実質と間質の空間的相互作用に関しては、これまでの分子生物学的手法では明らかにすることができなかった。本研究の目的は、扁平上皮癌の実質と間質の空間的相互作用に着目した“がん”の成因の解明と、間質の変化を組み込んだ新規病理診断学の構築を目指すことである。