研究課題/領域番号 |
22K09732
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
角南 貴司子 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (60315992)
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研究分担者 |
吉川 貴仁 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (10381998)
神田 裕樹 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (70807990)
石井 聡 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90587809)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 音声言語 / 雑音下言語聴取 / 長文聴取 / 言語認知 / 中枢機序 / 発達検査 / トレーニング効果 / 加齢 / MEG / 音声言語認知 / 聴覚 / 認知 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では若年者と高齢者の音声言語の理解に関して、雑音下での言葉の理解および脳の活性を明らかにすることが目的である。脳磁図計を用いて課題遂行中の脳電気活動を非侵襲的に測定し文章の理解に関して脳活動を計測し、若年者と高齢者の音声言語認知に関わる脳機能の違いについて明らかにする。雑音下での言葉の聞き取りについてのトレーニングを行い、トレーニングにより聞き取りが改善するかどうか若年者と高齢者において検討を行う。トレーニング後、脳機能をMEGにて確認しトレーニングによる脳機能の変化が出現するかどうかついて明らかにする。
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研究実績の概要 |
我々はこれまでに若年成人での雑音下での音声言語聴取時の脳機能についてMEGを用いて研究 を行なっている。その結果では左下前頭回の活動上昇および左横側頭回、左上側頭回の活動低下 を認めており、雑音下ではこれらの脳機能の変化により言葉を修復して聴取している可能性を示 唆している。また、音韻処理や不明瞭な言葉の聞き取りに関する脳機能の変化についてもMEG を使った研究を行なっている。本研究では若年者と高齢者の音声言語の理解に関して、雑音下での言葉の理解および脳の活性を 明らかにすることが目的である。脳磁図計を用いて課題遂行中の脳電気活動を非侵襲的に測定し 文章の理解に関して脳活動を計測し、若年者と高齢者の音声言語認知に関わる脳機能の違いにつ いて明らかにする。 雑音下での言葉の聞き取りについてのトレーニングを行い、トレーニングにより聞き取りが改善 するかどうか若年者と高齢者において検討を行う。トレーニング後、脳機能をMEGにて確認し トレーニングによる脳機能の変化が出現するかどうか、またどの部位が変化するかについて明ら かにする。トレーニング効果について検討することによりリハビリテーションの音声言語認知に 与える効果を明らかにすることができると考えている。 現在、20ー40歳の健常被験者及び、60歳以上の健常被験者に対して聴覚検査(準温聴力検査、語音明瞭度検査、雑音下語音聴取検査)及び言語に関する発達検査を実施中である。また、MEG検査中に聴取させる音源は文章をプロのアナウンサーにより音読したものを音源として使用する。(1文5分程度)またそ れぞれの文章に雑音を混じた音源を作成し雑音下での聴取として使用する。雑音はホワ イトノイズもちいる。S/N比は0dBとする。刺激音源については作成済みである。20-40歳の健常被験者の募集は順調である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
音源の作成にやや時間を要したことにより研究進行が遅延した。また60歳以上の被験者の募集にも時間を要したため研究の進捗が遅延した。現在は順調に進行しつつある
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今後の研究の推進方策 |
本年度中にトレーニング前のMEG検査を終了する予定である。被験者には、音源(雑音なしおよび雑音あり)を聴取してもらいそれぞれの理解の有無を確認する。聞き終わる毎に、1理解できる文章、2理解できない文章かのいずれかを選択。課題遂行中に脳電気活動を脳磁図計で計測することで各条件での神経活動の差異を確認する。その後、聴覚トレーニングに進む予定としている。訓練は自宅にて1日1回それぞれ10分ずつ 30日間訓練を行う。1) 文字で書かれた文章を見ながら雑音下で音読されている文章(数文節)を聴取 2) 文字で書かれた文章を音読しながら雑音下で音読されている文章(数文節)を聴取する。文字を見ながら聴取することにより、聴覚―視覚の相互作用による効果を期待する。 また音読によりBroca野の賦活による音声言語の修復過程への効果を期待する。 雑音の条件はMEG測定時と同じ条件( S/N比0dB)とする。トレーニング後;再度音源(雑音なしおよび雑音あり)を聴取してもらい、聞き終わる毎にアン ケートとして、1理解できる文章、2理解できない文章かのいずれかを選んでもらう。音源 聴取時にMEGにて脳機能の計測を行う。
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