研究課題/領域番号 |
22K09735
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
堀 龍介 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (70767699)
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研究分担者 |
岡上 雄介 天理医療大学, 医療学部, 特別研究員 (70911692)
山田 啓之 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (00403808)
山本 典生 地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院(第1診療部、第2診療部、第3診療部, 中央市民病院, 部長 (70378644)
藤村 真太郎 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (50815751)
児嶋 剛 京都大学, 医学研究科, 講師 (60767698)
楯谷 一郎 藤田医科大学, 医学部, 教授 (20526363)
吉岡 哲志 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (20648539)
金丸 眞一 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 神経・感覚運動器研究部, 研究主幹 (00271510)
加藤 久幸 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50351060)
岩田 義弘 藤田医科大学, 医学部, 講師 (80410728)
十名 洋介 京都大学, 医学研究科, 助教 (80898073)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アブミ骨筋反射 / 顔面神経麻痺 / 早期予後診断 |
研究開始時の研究の概要 |
顔面神経麻痺の予後診断において、発症10日以内の早期に予後診断する方法がない。本研究申請者はアブミ骨筋反射を内視鏡下で可視化することに初めて成功し、その閾値がレフレックス検査で得られる閾値より低いことを見出した。動物実験を用いて内視鏡下に正確なSR閾値を測定する方法を開発し、これを臨床に応用した上で、顔面神経麻痺における超早期の予後診断と即時治療に応用する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、内視鏡下でアブミ骨筋反射(SR)を可視化する技術を開発、これを活用し顔面神経麻痺の超早期予後診断をするとともに、予後不良と予測される症例において早期の治療を行うことである。 本年度は実験動物(ハートレイ系モルモット)での基礎研究にて、SRを誘発するの最小音刺激閾値の測定評価法を開発した。SRを測定する検査側耳の中耳骨包を開放してアブミ骨を明視下に置き、対側耳に音圧を変えていきながら音刺激を入力し、検査側耳の内視鏡下SR閾値を評価した。内視鏡にはハイスピードカメラを接続して肉眼で観察できる以上のわずかなアブミ骨の可動まで評価して、内視鏡下SR閾値を計測した。 本年度の成果として、当初は観察不能と考えていたアブミ骨筋そのものをハイスピードカメラ接続内視鏡にて明視して観察できることを見出した。そのため、当初アブミ骨の可動でSRを観察することを想定していたのに対し、アブミ骨筋そのものの観察により詳細な内視鏡下SR閾値を計測することができた。またハイスピードカメラでは1000fpsで観察したため、SRの音閾値だけでなくその潜時の計測にも取り掛かった。これまでハートレイ系モルモットを含めた実験動物の生体内にてSRを測定した研究はこれまで存在せず、本年度の成果はSR研究においての大きな前進となりえる。また、当初実験動物での顔面神経麻痺モデルの作成として、スプレーフリーザーを用いた顔面神経管冷却モデルを検討していた。しかし、上記のごとくモルモット生体内にアブミ骨筋そのものが明視され、アブミ骨筋も冷却されることが判明したため、顔面神経管冷却モデルは使用しないこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍においてハイスピードカメラ製造元の物流の停滞があり、カメラの購入に時間がかかった。また、ハイスピードカメラに音のトリガ信号を入れて撮影するのであるが、実験環境においてりトリガ信号がうまく入らない現象に直面し、そのトラブルシューティングに時間がかかった。しかし、その後実験を頻回に行うことにより、その遅れを取り戻し本年度の成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
実験動物を用いた顔面神経麻痺モデルの作成として、顔面神経圧迫モデルが候補に挙がり、その実行を検討したい。一方、本研究では内視鏡下SRの可視化する技術を実験動物およびヒトにおいて開発、これを活用し顔面神経麻痺の超早期予後診断をするとともに、予後不良と予測される症例において早期の治療を行うことである。従って、今後の研究の推進方策としては、実際の臨床の現場にて進めていく必要がある。 鼓膜穿孔に対し内視鏡下鼓膜形成術施行患者、外リンパ瘻疑いに対し内視鏡下内耳窓閉鎖術施行患者にて、局所麻酔下で内視鏡下耳科手術を行う。健側耳でレフレックス検査を行い、同側耳SRが検出される音圧で手術している対側耳SRを内視鏡下で可視化する。また、同時に音刺激に対するSRのアブミ骨筋筋電図も記録し、その閾値も測定する予定である。これにより、ヒトにて内視鏡下SR測定する技術を確立させる予定である。
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