研究課題/領域番号 |
22K09743
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
端山 昌樹 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (70756048)
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研究分担者 |
前田 陽平 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (00636483)
津田 武 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00778631)
小幡 翔 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (50846409)
中谷 彩香 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80846395)
天野 雄太 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80909656)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 好酸球性副鼻腔炎 / セマフォリン / ステロイド抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
好酸球性副鼻腔炎(以下ECRS)は難治性副鼻腔炎のひとつであり、嗅覚障害を高率に伴い、QOLを低下させる。保存的治療あるいは手術後の維持治療として局所あるいは全身ステロイド投与は有用かつ重要であるが、一部の症例はステロイド抵抗性を獲得しているため、難治化を生じる。しかしECRSにおけるステロイド抵抗性のメカニズムは十分には解明されていない。セマフォリンの受容体であるPlexin B1が鼻腔上皮細胞に高発現していること、Plexin B1がGlucocorticoid受容体の核内移行に関与することに着目し、好酸球から分泌されたセマフォリンを介したECRSのステロイド抵抗性獲得について解析する。
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研究実績の概要 |
好酸球性副鼻腔炎(以下ECRS)の難治例は気管支喘息同様にステロイド抵抗性を獲得していると考えられる。しかしECRSにおけるステロイド抵抗性のメカニズムは十分には解明されていない。現状ではECRSに対する術後に局所ステロイドや短期間の内服ステロイドで維持治療を行うが、それに抵抗性の症例が生物学的製剤の適応となる。生物学的製剤は効果が期待される一方、医療費の増大につながるため、ステロイド抵抗性の病態解明は今後の好酸球性副鼻腔炎治療に必要である。今回、上皮細胞・好酸球・ILC2などの細胞にそれぞれ着目して解析を行った。また臨床症状についても内視鏡所見、疾患特異的QOL、自覚的嗅覚についてデータを採取している。 手術で切除したポリープや病的粘膜から上皮細胞のみを分離し、遺伝子発現を網羅的に検討を行っている。それらについて好酸球性副鼻腔炎の難治例、予後良好群と非好酸球性副鼻腔炎を比較することでそれぞれそれらにおける遺伝子発現を比較し、ターゲットとなる遺伝子を選択する予定である。まずは上皮細胞において好酸球性副鼻腔炎と非好酸球性副鼻腔炎を比較し、有意に発現量に差があった遺伝子について解析を進めている。より詳細に検討するためにシングルセルでの解析も考慮している。 またステロイド抵抗性のために再手術となった症例において中鼻甲介における遺伝子発現を網羅的に解析を行った結果を基に、病態との関連について解析を進めている。現在は主に細胞外マトリクスのリモデリングに関連する遺伝子群と難治化すなわちステロイド抵抗性との関連性について検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、網羅的な解析が進行中であり、結果が出たものから順にPathway解析、実際の検体でのサンプル数を増やしての検証、発現細胞の同定などを進めている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、難治性好酸球性副鼻腔炎の上皮細胞の機能解析、および網羅的解析で得られたキー遺伝子について好酸球性副鼻腔炎または2型炎症における病的意義について解析を進めていく。
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