研究課題/領域番号 |
22K09759
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
南場 研一 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (70333599)
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研究分担者 |
村上 正晃 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00250514)
北市 伸義 北海道医療大学, 予防医療科学センター, 教授 (40431366)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 迷走神経 / 実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎 / EAU / 迷走神経刺激 / ぶどう膜炎 / 炎症性サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
迷走神経は自律神経系の神経として、様々な臓器に分布し多種多様な神経反射に関わっており、迷走神経刺激には免疫抑制作用があることが分かってきており、全身炎症性疾患の治療に用いる試みがなされている。これまでぶどう膜炎の治療としては、ステロイド薬、免疫抑制薬、生物学的製剤など薬物治療が主体であったが、本研究ではぶどう膜炎の治療において非薬物治療である迷走神経刺激療法の可能性を見出すべく、その有効性についてぶどう膜炎のマウスモデルを用いて検討をおこなう。
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研究実績の概要 |
初年度である昨年度はまず、マウス実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎(EAU)の免疫に用いるぶどう膜炎惹起抗原ペプチドについて、従来使用しているhIRBP1-20からhIRBP651-670に変更をしてC57BL/6マウスEAUの発症率、重症度を確かめる予備実験を行った。その結果、hIRBP651-670による免疫ではEAUの発症率がほぼ100%であること、炎症のピークが17日と早く、ピーク時の平均臨床スコアが2.5と高いことが確認された。 本年度は迷走神経の切断によりEAUが増悪する可能性について検討した。迷走神経を切断したマウスにEAUを誘導し、EAUの発症率と重症度について頸部の切開と迷走神経の同定を行い、その上で迷走神経を切断していないマウスをコントロールマウスとして、比較検討を行なった。結果、免疫後10日目には迷走神経切断群でのクリニカルスコアは0.58、コントロール群では0.083、14日目には迷走神経切断群のクリニカルスコアは2.67、コントロール群では1.17と有意に迷走神経切断群での炎症の増悪が認められた(p=0.011、p=0.0043)。免疫後17日目では14日目には迷走神経切断群のクリニカルスコアは2.58、コントロール群では1.67、21日目には迷走神経切断群のクリニカルスコアは1.58、コントロール群では1.33と迷走神経遮断群の方が炎症の増悪の傾向は認められたが有意差は認められなかった(p=0.086、p=0.29)。また、免疫後21日目に眼球摘出を行い、組織切片を作成した。その組織スコアをつけたところ組織スコアは迷走神経遮断群で1.12、コントロール群で0.87と迷走神経遮断による炎症の増悪の傾向は認められたが、有意差は認められなかった(p=0.26)。以上の通り、迷走神経遮断によりEAUの炎症の増悪することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で当教室の研究室が稼働できない時期があったため、迷走神経刺激装置の埋込によるEAUの研究は2024年度以降におこなうこととなったため、研究がやや遅れている。刺激装置の埋込の前段階の研究として、迷走神経切断がEAUにどのような影響を及ぼすのか確認することとして、現在研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はC57BL/6マウスに迷走神経刺激装置を埋植し、迷走神経へ刺激を加える(VNS施行)群と迷走神経に刺激を加えない(VNS非施行)群とで、EAUの発症率、重症度に違いが生じるかどうかを検討する。 迷走神経刺激がぶどう膜炎の軽症化に繋がることが確認されれば、そのメカニズムを明らかにするため、 1)所属リンパ節における抗原特異的T細胞増殖反応の検討をおこなう。具体的には、免疫から7 - 10日目の所属リンパ節を取りだし、T細胞を分離する。IRBPペプチド、抗原提示細胞と共培養し、72時間後の抗原特異的T細胞増殖についてVNS施行群、非施行群の間で比較検討をおこなう。 2)眼内における交感神経および副交感神経の活性化の検討をおこなう。EAU誘導から10日目に眼球を摘出し、凍結切片を作成。免疫化学染色にて網膜血管部に分布している神経について活性化を確認する。具体的には、c-Fos陽性細胞、チロシン水酸化酵素(交感神経活性化マーカー)、コリンアセチル転移酵素(副交感神経活性マーカー)陽性細胞の集積部位およびその数を、VNS施行群、非施行群とで比較検討する。
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