研究課題/領域番号 |
22K09764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
福地 健郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90240770)
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研究分担者 |
赤木 忠道 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30580112)
坂上 悠太 新潟大学, 医歯学総合病院, 専任助教 (30769435)
五十嵐 遼子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10895361)
植木 智志 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90595117)
奥田 修二郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00512310)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 緑内障性視神経症 / Quality of life(QOL) / Artificial intelligence / Virtual reality(VR) / 両眼視野 / コントラスト感度 / 光干渉断層計(OCT) / OCTアンギオグラフィー(OCTA) / 緑内障 / AI(人工知能) / QOL(quality of life) |
研究開始時の研究の概要 |
緑内障による①視野障害、コントラスト感度障害とQOLの関連についてAIを用いた新たな分析を行い、視野、コントラスト感度検査結果からQOLをスコア化、QOL障害を推定する方法を確立する. ② VR機能、視線解析機能を搭載したヘッドマウント型視野計を用いて緑内障患者の両眼視機能・両眼視野、運転、歩行、読書などのQOLと視野障害との関係を明らかにし、日常生活における補助や指導の方法を考案する.③緑内障患者の黄斑部の構造(眼底)と機能(視野)を分析し、QOL維持のための治療、管理の方法を確立する.
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研究実績の概要 |
Artificial intelligence(AI)を用いた緑内障患者のQOLスコア推定モデルの構築:広義原発開放隅角緑内障(POAG)でQOLスコアに影響する視野の領域を検討した.ハンフリー視野(HFA)プログラム24-2、10-2 SITA standardの各測定点の実測感度閾値、トータル偏差、パターン偏差とQOLスコアの相関を調べた.VFQ-25ラシュスコアはHFA10-2の乳頭中心窩・乳頭黄斑領域と最も強く相関し、この領域がQOLに最も関連する領域と考えられた. ヘッドマウント型視野計アイモvifa(iMo)を用いた視野測定と緑内障患者のQOL評価:従来の視野測定は片眼を遮蔽して行われた.iMoは両眼開放というより生理的条件での視野測定を可能にし、QOL評価のためにより適した視野測定装置である.左右眼の視野を同時に測定する両眼開放ランダムモードでは、片眼遮蔽測定に比較してbetter eyeではやや改善、worse eyeではやや悪化することが明らかとなった.また、左右眼の同じ部位に同時に指標を提示する両眼開放同時刺激モードで両眼視野を測定し、両眼重ね合わせ視野(IVF)結果との同異を検証した.両眼同時刺激視野はIVFとほぼ一致した.乳頭中心窩障害を伴う症例では、時に一致しないことが分かった.今後、緑内障患者の視野における両眼加重、両眼重ね合わせについて、さらに検証が必要である. 緑内障患者のコントラスト感度(CS)とQOLスコアの関連:POAG患者のCSは視野病期の進行、悪化とともに低下し、特にworse eyeのCSがQOLスコアとより強く相関することを報告した.CSのAULCSF値は、中心窩閾値、乳頭中心窩領域の視野感度と強く関連し、POAG患者のこの領域障害はCSを介してもQOL低下に影響することが明らかになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
AIを用いた緑内障患者のQOLスコア推定モデルの構築:やや遅れている.AIを用いたQOLスコア推定モデルの構築、QOLスコアと相関する視野領域の検討は終了し、論文化の準備中である.実際にQOL推定モデルを構築し、その精度に関する検証はこれからである. ヘッドマウント型視野計iMo CSによる両眼開放視野測定:やや遅れている.両眼同時刺激視野とIVFの違いについては、症例収集はほぼ終了している.結果の呈示に対して、どのような方法を用いるべきか、統計処理の方法を含めて検討中である.既報に関連した報告はなく、試行錯誤中である.両眼同時ランダム測定に関しては、現在、論文化を進めている. 緑内障患者のコントラスト感度(CS)とQOLの関連:研究はおおむね終了している.緑内障患者のCSとQOLの関連については論文投稿中である.CSに関連した視野の領域については、ほぼ解析を終了し、論文化の準備中である.
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今後の研究の推進方策 |
AIを用いた緑内障患者のQOLスコア推定モデルの構築:具体的なQOLスコアの推定(算出)方法について検討中である.視野検査結果から精度の高いQOLスコアの推定が可能になれば、逆の情報としてQOLスコアの低い、つまりQOLの悪い視野パターンが同定できる可能性があり、臨床的な意義は大きい. ヘッドマウント型視野計iMo による両眼開放視野測定:データ収集はほぼ終了している.結果の解析方法、提示方法について検討中である.両眼開放視野の評価と解析は、緑内障患者のQOLを評価する上で重要な課題である.
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