配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究開始時の研究の概要 |
糖尿病網膜症は世界の主要な失明原因の一つであり,新たな治療法の開発が求められている.我々は,Ambra1を薬剤依存的に欠失させるコンディショナルKO(cKO)マウスを世界に先駆け作製し解析していたが,最近、Ambra1は主要な細胞増殖調節因子であることが注目されている.我々はAmbra1の欠損が網膜前駆細胞と思われる一部の網膜細胞の増殖を誘導することを見出した.網膜前駆細胞が網膜神経細胞へ分化することは知られているが,現状では治療へ結びついていない.本研究では,網膜障害時に出現する網膜前駆細胞をAmbra1の機能阻害により増殖させ網膜再生を促す,新たな糖尿病網膜症治療の開発を目指す.
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研究実績の概要 |
糖尿病網膜症は世界の主要な失明原因の一つであり,新たな治療法の開発が求められている.我々はこれまで,神経系の発達に不可欠な遺伝子として見つかり,オートファジー進行に重要な役割を担うことが知られていたAmbra1に着目してきた.糖尿病や網膜疾患におけるオートファジーの重要性が報告される中、オートファジー不全は糖尿病網膜症を増悪することが予想された.我々は,Ambra1を薬剤依存的に欠失させるコンディショナルKO(cKO)マウスを世界に先駆け作製し,糖尿病網膜症への影響を解析した.その結果,予想外にも,Ambra1の欠損が網膜前駆細胞と思われる一部の網膜細胞の増殖を誘導することを見出した.網膜前駆細胞が網膜神経細胞へ分化することは知られているが,現状では治療へ結びついていない.最近、Ambra1は主要な細胞増殖調節因子であることが報告された.本研究では,網膜障害時に出現する網膜前駆細胞をAmbra1の機能阻害により増殖させ網膜再生を促す,新たな糖尿病網膜症治療の開発を目指す.我々はAmbra1欠損マウスの網膜の解析から,2022年度までにAmbra1の機能阻害によりミューラーグリア細胞由来の網膜前駆細胞の増殖を亢進し,それが網膜炎症を軽減するという知見を得ることができた.2023年度は,それらの機序を解明すべく,Ambra1の重要な役割の一つであるオートファジーの制御と糖尿病網膜症の関連を検討,2型糖尿病マウスにおけるインスリン依存性AKT/WNK1経路の抑制がオートファジーを誘導する可能性を見出し,それらの知見は雑誌「Diabetes, Metabolic Syndrome and Obesity」に掲載された.引き続き詳細な解析により、Ambra1の機能阻害による網膜前駆細胞の増殖と、糖尿病網膜症を含む網膜炎症に対する抗炎症効果とその機序について研究を進めたいと思っている.
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