研究課題/領域番号 |
22K09782
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
新明 康弘 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (00374398)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 緑内障 / ミュラー細胞 / アクアポリン4 / 神経保護 / グリンパティックシステム |
研究開始時の研究の概要 |
緑内障治療点眼として用いられているブリモニジンは神経保護作用を併せ持つ可能性が示されている。また近年、脳科学のトピックにアクアポリンを介したグリア細胞による老廃物除去機構の発見があり、glymphatic systemと呼ばれている。一方、眼内においては網膜固有のグリア細胞であるミュラー細胞がこの役割を果たすと推測される。 本研究では、ヒト培養ミュラー細胞を用いて、ブリモニジンによる神経保護効果を神経栄養因子の発現変化およびglymphatic systemについて検討することで、緑内障の新規治療法開発へ資することを目指す。
|
研究実績の概要 |
緑内障に関して、現在エビデンスに基づく唯一の治療法は眼圧下降療法であるが、本邦では眼圧が正常範囲を示す正常眼圧緑内障がその病型の7割を占め、眼圧に依存せず直接神経を保護する治療の開発が望まれている。緑内障治療点眼として世界中で広く使用されている薬剤のひとつであるアドレナリンα2受容体作動薬のブリモニジン点眼液は、同等の眼圧下降効果を持つ他の緑内障点眼薬と比べて、視野欠損の進行抑制効果が強い可能性があることが指摘された。これを機に、ブリモニジン点眼が神経保護作用も併せ持つのではないかと考えられるようになり、これまでに種々の研究が行われてきた。その中で最近、網膜グリア細胞であるミュラー細胞への作用が注目されている。また近年、脳科学のトピックに水チャンネル、アクアポリンを介した老廃物除去機構の発見があり、リンパ組織を持たない脳ではグリア細胞がこの役割を担うことがわかった。これはグリンパティックシステムと呼ばれている。一方、眼内においては網膜固有のグリア細胞であるミュラー細胞がこの役割を果たすと推測される。そこで本研究では、ヒト培養ミュラー細胞を用いて、ブリモニジンによる神経保護効果を神経栄養因子の発現変化およびグリンパティックシステムについて検討することで、緑内障の新規治療法開発へ資することを目指す。令和5年度の研究では、4年度の結果に基づき、ヒト培養ミュラー細胞株であるMIO-M1に添加するブリモニジンの濃度および刺激時間を検討し、各種神経保護因子のmRNA発現がより上昇する条件を明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した研究計画の中において、前半部分に相当する神経栄養因子の発現変化やアクアポリンファミリーの一つであるアクアポリン4の発現変化において更なる研究成果が得られており、おおむね順調な推移であると自己評価している。
|
今後の研究の推進方策 |
令和6年度はreal-time PCRを用いたmRNA発現解析を追加し、神経栄養因子発現の更なる条件検討を行うことに加え、その発現変化をウエスタンブロット等を用いてタンパクレベルで調べる。アクアポリン4のmRNA発現変化に関してはGAPDHを含む複数の内在コントロール遺伝子を用いて検証し、アクアポリン4の発現上昇が再現された際にはタンパクレベルの解析も併施する。加えてアクアポリン1, 9といった他のアクアポリンファミリー遺伝子に関しても検証を行う。
|