研究課題/領域番号 |
22K09792
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
江内田 寛 佐賀大学, 医学部, 教授 (00363333)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | SS-OCT / Ellipsoid Zone / en face / interscan time / VISTA法 / OCTA / 血流相対速度 / OCT / Computational AO / Variable cross cylinder / VISTA / Adaptive Optics (AO) |
研究開始時の研究の概要 |
補償光学(Adaptive Optics: AO)の応用で、収差による面分解能の補正により詳細な生体観察が可能になる。ところが現在開発中のAOを搭載した走査型レーザー検眼鏡(AO-SLO)は多くの問題点を抱え未だ承認された医療機器はない。 我々は光干渉断層計(OCT)に低次の収差を光学的に補正技術することにより、AO-SLOでは観察が困難な測定対象に対して細胞レベルでの生体観察が可能となる中心高解像度OCTの開発に取り組んでいる。本研究ではプロト機を用いた臨床研究を通じて健常眼データベースや解析アルゴリズムを構築し、さらに適切な測定条件の決定や解析プログラム作成を行うことで、あたらしい医療機器としての可能性を探索する。
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研究実績の概要 |
本年度は主にen face SS-OCT による黄斑部網膜外層微細構造の定量評価法および高速SS-OCT Angiographyによる網膜毛細血管血流相対速度の描出と定量化法の確立の2つの課題に取り組んだ。 前者については被験者眼(正常眼と疾患眼)に対して高速スキャンかつ横方向の分解能の向上したSS-OCT試作機を用いて,黄斑部の1.5×1.5 mm2の領域を512×512画素で撮影した。Ellipsoid Zone(EZ)と網膜色素上皮細胞(RPE)層のen face OCT画像をそれぞれ抽出し、EZ bandのRPE層に対する相対強度画像を生成した。取得画像に対し、ノイズ除去を適用した後にPhansalkar法を用いた画像二値化により閾値以下の領域を網膜外層障害疑いとして定量化した。本プログラムによりプレリミナルな結果であるが正常眼と疾患眼では異なる所見が得られたことで、従来困難であった黄斑部網膜外層微細構造の障害疑い部位の特定および定量化ができる可能性が示唆された。 後者については正常眼を対象とし、SS-OCTAを用いて黄斑中心φ6mmの領域で各眼4回ずつOCTA撮影を行った。interscan timeは1.3 msに設定し同一箇所で8回の繰り返し高速サークルスキャンと低速のサイクロンスキャンを組み合わせて測定を行うことでOCTAボリュームを生成した。得られたOCTAボリュームに対して3次元モーション補正アルゴリズムを適用した後に、VISTA(Variable interscan time analysis)法によりOCTA信号飽和時間を算出し、血流相対速度画像を生成した。また黄斑中心および上下耳鼻側の5つの小領域(1.5×1.5 mm2)に分割し、網膜層別さらに血管径別に血流相対速度平均値を抽出し、網膜毛細血管血流相対速度を定量的に評価可能なプロブラムを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述した通り当初予定していた基本的な測定アルゴリスムの基盤部分はほぼ構築された。 プログラムの妥当性の研究は継続して行う予定。
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今後の研究の推進方策 |
今後は本年度に作成された基本的なプログラムを用いて正常眼に加え疾患眼でも撮像を増やし、結果を検討することで、プログラムの妥当性を検証し、必要に応じて各種測定アルゴリズムの改良を行いプログラム制度の向上を図る予定である。 本研究の研究計画期間を通し、OCTを基盤とした従来とは異なる新たなバイオマーカーの創出に取り組みたい。
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