研究課題/領域番号 |
22K09804
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
原田 知加子 公益財団法人東京都医学総合研究所, 疾患制御研究分野, 研究員 (20435720)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 視神経 / 緑内障 / 遺伝子治療 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国では網膜や視神経の変性疾患による失明者が多いが、最大の要因となっているのが緑内障である。緑内障の治療では眼圧を下げる点眼薬の使用や手術を受けることが重要だが、それだけでは効果が十分でない方が一定数存在することが明らかになっている。本研究では眼圧降下以外の治療法として遺伝子治療に注目し、実験動物でその効果の検討を行って、将来的な治療法につなげることを目的としている。
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研究実績の概要 |
我が国では網膜や視神経の変性疾患による失明者が多いが、最大の要因となっているのが緑内障である。緑内障の治療では眼圧を下げる点眼薬の使用や手術を受けることが重要だが、それだけでは効果が十分でない方が一定数存在することが明らかになっている。本研究では眼圧降下以外の治療法として遺伝子治療に注目し、実験動物でその効果の検討を行って、将来的な治療法につなげることを目的としている。すでに脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor; BDNF)の高親和性受容体であるTropomyosin receptor kinase Bの細胞内領域のみを細胞膜に強制発現させるアデノ随伴ウイルスベクター(AAV-iTrkB)を作製しており、これを緑内障モデルマウスに眼球内投与したところ、一回の眼球内投与だけで、BDNFの投与無しに、緑内障の進行が抑制されることを確認した。また視神経外傷モデルマウスに同ベクターを投与したところ、多くの再生した視神経軸索が視交叉に到達するほどの強力な効果が確認された。さらに上丘の外傷モデルに対しても同じAAV-iTrkBベクターを投与したところ、再生線維が切断部位を超えて上丘内に到達し, 視機性動眼反射が一部改善した。以上からAAV-iTrkBベクターを用いた遺伝子治療が、緑内障の進行抑制や、視神経外傷後の視機能回復に寄与する可能性が示された。またこのiTrkBの全身投与型ベクターを多発性硬化症モデルマウスに投与すると、脱髄の抑制が起きることも確認された。したがってiTrkBを用いた遺伝子治療は、様々な神経変性疾患にも有用な可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
眼球内への遺伝子治療により、緑内障の進行抑制と視神経再生を促進可能であることを発見し、すでに論文発表を終えているが(Molecular Therapy, 2023)、さらに全身投与型ベクターを用いた遺伝子治療研究を開始して、その成果も確認できつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は全身投与型ベクターを用いた遺伝子治療研究を継続するなど、視機能回復に向けた研究計画をさらに進めていく予定である。
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