研究課題/領域番号 |
22K09805
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大石 路子 東北大学, 医学系研究科, 学術研究員 (80454875)
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研究分担者 |
佐藤 孝太 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50732327)
中澤 徹 東北大学, 医学系研究科, 教授 (30361075)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 視神経挫滅 / 炎症性マイクログリアクラスター / 活性化アストロサイト / Rhoキナーゼ / 炎症 / 疾患関連マイクログリア / 緑内障 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢性疾患であり、中途成人失明原因1位である緑内障は様々な疾患や病因が結びつきながら病態を形成するが詳細な病因や発症メカニズムは不明である。近年、緑内障を模倣した視神経挫滅モデルマウスを用いた解析から、活性化マイクログリアが間接的に網膜神経節細胞死をもたらすと報告されている。本研究では、数十種類の細胞集団とされる網膜マイクログリアのうち、視神経挫滅時のマイクログリアの解析により、疾患に寄与度の高いマイクログリアクラスターを同定し、この疾患関連マイクログリアクラスターの緑内障における機能解析により創薬研究を推進し、またこの疾患関連マイクログリアをゲノム編集技術により除去する治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
先行して行った視神経挫滅(NC)マウス網膜マイクログリアのRNA-Seq解析の結果より同定した炎症性マイクログリアクラスター特異的分子について、当初プロモーター部位の特定と、プロモーターの後ろにジフテリアトキシン受容体を組み込んだトランスジェニックマウスの作製を計画していたが、同定した炎症性マイクログリア特異的分子のKOマウスに関する報告があり(Hazuki Nonaka et al.,Frontiers in Nutrition, 2022)、このマウスの譲渡を受けKOマウスを用いた検討を先に行った。 WTマウスへのNC後7日目までの観察では、網膜神経節細胞(RGC)は軸索が短縮しやがて死滅する。マイクログリアに特異的にEGFPを発現するIba1-EGFPトランスジェニックマウスへのNC後2,4,7日後の網膜フラットマウントの観察の結果、マイクログリアは経時的に数、面積、輝度いずれについても有意に増加し、マイクログリアの活性化が示唆された。シングルセルRNA-Seq解析よりNC4日後にIL1a,b,TNFa,C1qが有意に発現上昇する炎症特異的クラスターを特定し、このクラスターに特異的に発現する分子を同定した。この活性化マイクログリアクラスターはRipasdil投与下では活性化が抑制された。また、in situハイブリダイゼーションの結果NC4日後の網膜では同定分子の発現が増加する傾向がみられた。同定分子KOマウスNC後網膜のRBPMS免疫染色では、KOマウスではWTマウスに比べ有意にRGCの減少が抑制された。NC時の網膜では活性化アストロサイトマーカーであるGbp2等の発現も上昇しており、活性化マイクログリアがアストロサイトを刺激しRGC障害を誘導する従来のメカニズムに、炎症性マイクログリア特異的な同定分子が何らかの関与をしていることを示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
視神経挫滅(NC)時のマイクログリアクラスタ-に特異的に発現する表面抗原のプロモータ下流にジフテリアトキシン受容体遺伝子を組み込み、NCによる炎症時に炎症特異的マイクログリアを除去するトランスジェニックマウスの作製を当初予定していたが、KOマウスの譲渡を受けることができ、早期にKOマウスを用いた検討が進められた。KOマウスによってNC時のRGC障害が抑制され、炎症特異的マイクログリアに特異的に発現する同定分子のRGC障害への関与が確認できた。ここまでの結果を論文投稿中であり、研究は順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画していた活性化マイクログリア特異的な同定分子のプロモーター部位の特定と、またこれを利用しプロモーター部位下流にジフテリアトキシンを組み込んだ炎症特異的マイクログリアを除去可能なトランスジェニックマウスの作製や、Crspr-dCas9システムを用いたマウスグリア細胞BV2でのノックダウンによる機能解析も行うことを予定している。さらには本研究の成果を治療へと繋げていくためこの同定分子のプロモーター部位のゲノム編集を網膜マイクログリア特異的に取り込むためのAAV6の作製も進めていく。
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