研究課題/領域番号 |
22K09817
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
鎌田 さや花 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70838474)
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研究分担者 |
外園 千恵 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30216585)
池田 陽子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (00433243)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ロービジョン児 / 学童期ロービジョンケア / 学習環境整備 / 学習配慮 / 視覚支援 / 矯正視力不良児童数調査 / 見えにくい子ども / ロービジョン児のスクリーニング / 弱視児 / ニーズ |
研究開始時の研究の概要 |
矯正視力不良や視野障害など何らかの見えにくさを有する小児(ロービジョン児)にとって、種々の工夫や配慮、視覚補助具等の適切な使用によって見えにくさを軽減させることは生活や学習をよりスムーズに行っていくために重要である。しかし、ロービジョン児は特別支援学校に在籍しない場合も多く、普通学級に在籍するロービジョン児の実態は把握されていない。このためロービジョン児に必要な配慮が必ずしもなされていない。 本研究ではロービジョン児の学習環境の実態調査を行うとともに、抽出されたロービジョン児に対して詳しい視機能評価を行い、適切な学習環境整備を実践に移し、有効性を評価することを目的とした。
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研究実績の概要 |
矯正視力不良や視野障害など何らかの見えにくさを有する小児(ロービジョン児)にとって、種々の工夫や配慮、視覚補助具等の適切な使用によって見えにくさを軽減させることは生活や学習をよりスムーズに行っていくために重要である。しかし、ロービジョン児は特別支援学校に在籍しない場合も多く、普通学級に在籍するロービジョン児の実態は把握されていない。このためロービジョン児に必要な配慮が必ずしもなされていない。 本研究ではロービジョン児の学習環境の実態調査を行うとともに、抽出されたロービジョン児に対して詳しい視機能評価を行い、適切な学習環境整備を実践に移し、有効性を評価することを目的としている。どの程度の視機能のロービジョン児が普通学級で学習しているかを調べ、視機能の程度別に学習や生活における困りごと(ニーズ)を明らかにし、それに合わせた学習環境整備を提案する。 研究は事前調査A、事前調査B、本研究に分け、事前調査A(矯正視力不良児童数調査)ではスクリーニングとして京都府内の小学校に研究への協力を依頼し、矯正視力不良や何らかの見えにくさが疑われる児童生徒数を集計する。事前調査B(ロービジョン児の学習配慮の実態調査)では、見えにくさに関して気になる様子がある児童生徒の保護者にアンケートを実施し、視力、眼疾患の有無、見えにくさに関する困りごと、現在学習上の配慮として行われていること、等について調査する。本研究では、当院(京都府立医科大学附属病院眼科)ロービジョン外来を受診しての詳しい視機能検査を行い、必要な学習環境整備を実施する。 特別支援学校や弱視学級だけではなく、普通学級にも少なからず在籍するロービジョンケアが必要な児童生徒を早期に発見し、見え方に不自由を持つ全ての児童生徒に適切な学習環境を整えるための基本的なデータを構築する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に事前調査A,Bを並行して開始し、京都府教育委員会および京都市教育委員会の協力のもと、研究の案内とアンケートについて記載した保護者配布用のチラシを作成し、京都府内の協力を得られた小学校の児童に配布、また学校健診と眼科受診結果報告書から矯正視力不良児童数を調査した。京都府眼科医会の協力のもと、京都府眼科医会会員に、通院中の何らかの見えにくさのある児童の保護者を対象としたチラシの配布を依頼した。 今回の研究においては、何らかの見えにくさを有するロービジョン児をスクリーニングすることが一つの目的であるため、“矯正視力”とは“適切に屈折矯正して得られる最高の視力”のこととしている。しかし現在の学校健診では裸眼視力と所持眼鏡等を使用した矯正視力しか測定しておらず、また各小学校では眼科受診結果において“矯正視力”が不良であった児童数までは把握していなかったため、当初計画よりも矯正視力不良児童数の調査は困難であった。このため学校で回収している眼科受診結果報告書をもとに集計作業を行うこととした。小学校養護教諭の業務負担に配慮し、京都市内小学校については受診結果報告書の集計作業のために調査員(研究支援員)が訪問して調査を行った。 事前調査Bとして、子どもの見えにくさに関して気になる様子がある保護者を対象としたアンケートでは、視力、眼疾患の有無、見えにくさに関する困りごとの内容、現在学習上の配慮として行われていること等についての回答を回収中である。
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今後の研究の推進方策 |
1)事前調査Aとして行った小学生の矯正視力検査結果について、今年度学会に発表予定で、今後論文を作成する。 2)事前調査Bとして行っている見えにくさが気になる児童についてのアンケート調査をGoogleフォームにて回収継続中であり、今後集計・解析し、学会に発表予定である。 3)本研究の研究参加者を京都府内外からリクルートし、参加者には、京都府立医科大学倫理委員会の規定に沿って同意を得た後、当院(京都府立医科大学附属病院眼科)ロービジョン外来を受診しての詳しい視機能検査を行い、視機能に関するデータを取得し、必要な学習環境整備を実施する。この際に、a:必要に応じて視覚補助具の一時貸し出しを行う。b:WG内で必要な学習環境整備の内容を検証する。c:ロービジョン児の学習環境を整えることができるように連携する。 4)見えにくい子どもの学習環境整備の効果について、アンケートおよび視機能検査や読書速度等から検証を行う。
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