研究課題/領域番号 |
22K09819
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 日本大学 (2023) 順天堂大学 (2022) |
研究代表者 |
松田 彰 日本大学, 医学部, 准教授 (00312348)
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研究分担者 |
岩本 怜 順天堂大学, 医学部, 助教 (10568207)
浅田 洋輔 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (70596626)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ペリオスチン / 濾過手術 / マウスモデル / 緑内障濾過手術 / 緑内障 |
研究開始時の研究の概要 |
緑内障濾過手術の長期的な成功率は 60-70% とされており、不成功例の多くで「濾過胞組織の線維化」による眼圧の再上昇が生じている。その線維化が発生する分子機序として、房水排出経路におけるマトリセルラータンパク質の1種 ペリオスチン の眼圧依存的な発現を起点に、コラーゲンをクロスリンクする Lysyl Oxidase 分子の発現亢進に伴った組織線維化の促進が考えられている。本研究ではペリオスチンを軸に緑内障手術後の濾過胞線維化の過程の分子メカニズムを詳細に解析し、ペリオスチンを標的にした濾過胞機能維持法の開発に向けた基盤を構築したい。
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研究実績の概要 |
2022年度に引き続き、POSTN欠損(KO)マウスと野生型マウスを用いて、緑内障手術モデルを作成し、濾過胞における遺伝子発現プロファイルを両群間で経時的に比較した。術後3、7、10日目の遺伝子発現プロファイルを比較し、統計処理をしたところ、細胞増殖に関連する遺伝子群に有意差を呈するものがあることが判明し、現在その機能的な意義を検証している。POSTN分子の有無が術後10日目以降の濾過胞の維持に影響するかどうか、濾過胞の形態、組織学的な評価を合わせて施行している。プレリミナリーな結果ではPOSTN欠損マウスで濾過胞の形成・維持が良好である感触を得ているが、数を増やして統計学的に解析してゆく。また、POSTN発現が濾過胞維持に与える役割に関して、in vitroでの実験を追加して施行し、分子メカニズムからの裏付けをおこなった。
ヒト臨床サンプルは緑内障濾過手術症例の前房水サンプルの収集を継続しており、ELISA法を用いてPOSTNの発現量を定量、臨床情報とのすり合わせを継続している。緑内障症例の病型別のサンプル収集、手術の転帰を加味した解析を今後遂行してゆく。
POSTNをターゲットにした治療介入実験として、サイクロスポリンAの投与がマウス濾過手術モデルにおけるPOSTN発現をin vivo抑制することを発見した。今後適切な投与量、投与時期、投与方法に関するデータを収集してゆく。また、他の薬剤例えば、タクロリムスやシロリムスなどの効果も評価し、実臨床に応用できる候補薬剤の選定に努めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属が2023年末に順天堂大学大学院医学研究科眼科学講座から日本大学医学部視覚科学系眼科学分野に変わったことで、研究用マウスの移動と動物実験計画の承認などの諸手続きのため、研究にやや遅れが生じている。研究の遅れを取り戻すために臨床研究で、緑内障濾過手術症例のPOSTNの発現サンプル収集、手術の転帰を加味した解析を遂行すると共に、マウス濾過手術モデルにおけるPOSTN発現をin vivo抑制することを目指して、薬剤の適切な投与量、投与時期、投与方法に関するデータを収集してゆく。
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今後の研究の推進方策 |
2023年末に、研究代表者の所属が2023年末に順天堂大学大学院医学研究科眼科学講座から日本大学医学部視覚科学系眼科学分野に変わったことで、マウスの移動と動物実験計画の審査などのため、2024年当初の研究の遅れが予想される。2024年後半に遅れを取り戻すために努力する。今後臨床研究で、緑内障濾過手術症例のPOSTNの発現サンプル収集、手術の転帰を加味した解析を遂行すると共に、マウス濾過手術モデルにおけるPOSTN発現をin vivo抑制するために、薬剤の適切な投与量、投与時期、投与方法に関するデータを収集してゆく。
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