研究課題/領域番号 |
22K09832
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 山形大学 (2023) 三重大学 (2022) |
研究代表者 |
杉本 昌彦 山形大学, 医学部, 教授 (00422874)
|
研究分担者 |
Gabazza Esteban 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00293770)
近藤 峰生 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80303642)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 耐糖能異常を伴う妊娠 / 糖尿病網膜症 / Protein-S / 妊娠 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの知見からPSはDRとDMEの進行に関与することが明らかになった。ここから申請者は眼内局所におけるPSの挙動が他の網膜疾患に併発するME、とくに嚢胞形成に結びつくのではないかという仮説を立てた 。これには単なる凝固活性の抑制のみならず、抗炎症作用や細胞死制御などPSの持つ種々の作用が関連している可能性を考えている。今回この機序をヒト採取検体、細胞、動物モデルを用いて明らかにする。
|
研究実績の概要 |
耐糖能異常を伴う妊娠に合併した網膜症は従来の糖尿病網膜症と異なり、炎症による種々のサイトカインの上昇がその原因であることを我々は以前報告している (Sugimoto M, et al. PLOS ONE 2019)。また、Protein-Sは炎症を制御して糖尿病ならびに糖尿病網膜症の進展に関与することを我々は報告している(Sugimoto M, et al. SciRep 2021)。これらの知見から、耐糖能異常を伴う妊娠におけるprotein-Sの解析を行った。本年はこの解析結果をさらに探求し、他のサイトカインとの関連を検討し、国際学会で報告した。耐糖能異常を伴う妊娠を病型(妊娠糖尿病、糖尿病合併妊娠)に分けて解析した結果、妊娠糖尿病では正常妊娠に比しやや増加するものの糖尿病合併妊娠では有意な変化を認めないことが明らかとなった。また、血管内皮増殖因子関連因子(VEGF1,2,VEGF-R1, VEGFR-2)や種々の炎症性サイトカインとの有意な相関も認めなかった。これらの結果から、Protein-Sは耐糖能異常を伴う妊娠において明確な役割を持たないことが推察された。糖尿病合併妊娠モデルマウスなどを用いた検索を行ってゆく予定であったが、これ以上行わず、増殖糖尿病網膜症や抗血管内皮増殖因子阻害薬に反応しない糖尿病黄斑浮腫などの難治症例におけるProtein-Sの関与について今後は検討してゆくことになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者の所属が三重大学から山形大学に変更となり、研究の再開まで時間を要した。このため、研究の進展に遅れが生じている。今回、昨年度まで蓄積したデータを解析し、ようやく学会報告するにとどまった。
|
今後の研究の推進方策 |
耐糖能異常を伴う妊娠に合併した網膜症の進行においてProtein-Sは関与しないことが明らかとなった。増殖糖尿病網膜症や、抗血管内皮増殖因子阻害薬に反応しない症例などの難治性糖尿病網膜症におけるProtein-Sの関与について引き続き検討を行う。
|