研究課題/領域番号 |
22K09849
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長尾 宗朝 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (00364349)
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研究分担者 |
野澤 明史 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20772106)
尾崎 峰 杏林大学, 医学部, 教授 (60372926)
青木 洋子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80332500)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | クリッペル・トレノーネイ症候群 / 脈管奇形 / 組織採取 / 遺伝子解析 / PIK3CA / 難治性脈管奇形 / PROS / PI3Kα遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、主に当院形成外科および杏林大学病院形成外科に通院するKTS症例を主な対象として組織および末梢血採取を行なう。稀少疾患ではあるが、豊富な症例を抱える当院および杏林大学との共同研究により、一定数の症例数の確保は可能と考えている。 得られた組織からDNAを抽出の上、マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子解析を行うことで、これまでに海外で報告のあるPIK3CAの変異率との違いの確認を行なうことで、アジアにおけるこの領域の遅れを取り戻すとともに、がんパネルによる機能的解析を行ない、臨床症状や組織学的変化のデータを蓄積することで、新たな治療的介入の端緒を探っていく。
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研究実績の概要 |
クリッペル・トレノーネイ症候群 (KTS) は、片側の上肢または下肢のほぼ全体、またはそれ以上の範囲にわたる混合型脈管奇形(毛細血管奇形、静脈奇形、リンパ管奇形などを含む)が存在し、片側肥大を生じる疾患である。脈管奇形は、血管・リンパ管に生じる先天性の構造異常と機能障害を認め、胎児期に、血管やリンパ管に発生異常・分化異常が生じることで発症すると言われている。しかしながら、その原因については、解明されていないのが現状である。 近年、2020年に開催されたISSVA(国際血管腫学会)において、脈管奇形に関連する様々な症候群を中心に、遺伝子解析が格段と進んでいることが報告された。片側肥大を生ずる疾患をまとめて、PROS (PIK3CA-Related Over-growth Spectrum)と言った概念となってきている。本邦においては、これらの疾患に対する遺伝子解析の遅れも指摘されているのが現状であり、今回、KTSに代表される難治性脈管奇形に対する遺伝子解析による病態解明と新たな治療法開発について、 研究を進めていた。 倫理委員会の承認と、家族の同意の下、当院においてKTS患者のみならず静脈奇形などの脈管奇形の組織採取を行なっている。PIK3CAの遺伝子変異が見つかった症例もあり、さらに検体を増やしながら検討を行なっていく予定である。また、現在も、静脈奇形やリンパ管奇形はじめ、プロテウス症候群、青色ゴムまり様母斑症候群などの組織採取も順調に進んでおり、脈管奇形の全体像の解析ができることを期待している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
倫理委員会の承認と、家族の同意の下、当院においてKTS患者や静脈奇形患者の組織採取を行なっている。その結果、PIK3CAの遺伝子変異が4例に見つかっている。その他にも、リンパ管奇形や静脈奇形においても解析を進めており、概ね順調な経過である。
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今後の研究の推進方策 |
当院のみならずさらに共同研究施設である杏林大学形成外科からの検体輸送も始まっており、検体数を増やしつつ、それらの解析も進めていく。それぞれの表現型の違いなども含めた本邦における脈管奇形の総合的解析を進めていく予定である。
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