研究課題/領域番号 |
22K09853
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
松田 健 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50423166)
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研究分担者 |
奥田 修二郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00512310)
曽束 洋平 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40437413)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 顔面神経麻痺 / 人工知能 / 画像解析 / 評価法 |
研究開始時の研究の概要 |
顔面神経麻痺の重症度評価は多くの場合、主観的なスコアリングを用いて行われている。 これらは比較的簡便で理解しやすいという利点の一方で、客観性・定量性・再現性に乏しいという欠点がある。 患者の社会適合を目的とする形成外科では特に「顔」の社会的な意味も考慮した評価法、すなわち「与える印象の良し悪し」というような主観的評価が適しているといえるが、それでは主観評価を益々曖昧な形で用いる事になる。近年の顔認識・画像解析技術と人工知能を組み合わせて用い「普通の顔」「違和感のある顔」の認識をある程度の客観性を持って評価、さらにその判断根拠の可視化技術を加え、よりよい再建術のために役立てることを目指す。
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研究実績の概要 |
静止画像「安静時並びに顔面運動「イー」を行っている時の2つの画像」を用いて人工知能による顔面各部位の検出を、完全麻痺例と不全麻痺例の患者10名づつ程度、更に麻痺のない健常例も追加して数種類の顔面特徴点検出エンジン(FaceAPIやGoogle Mediapipeなど)を用いて行った。これらの顔面画像における顔面各特徴点の検出試験を行った結果、麻痺のない例では比較的正確に多くの顔面の特徴点を捉えることが可能であるが、麻痺例ではその検出精度はかなり低下してしまうことがわかった。 これは人間の顔面は概ね左右対称であることを前提に検出エンジンの機械学習が行われている(麻痺のない人間の顔をもとにしている)結果であると考えているが、特に顔面神経麻痺の伴う個々の症例に関して評価を行うには麻痺患者における検出精度の向上が必須であり、その方策を考慮している。一方で、日本形成外科学会や日本顔面神経学会ならびにその関連学会、いくつかの研究会にて上記知見を含んだ発表を行った。(下記参照)また、関連領域の研究者との意見交換並びに情報収集を行った。 The 14th International facial nerve symposium (2022. 4. 28-30)、第44回日本顔面神経学会(2022.7.29-30)、地の広場サイエンスセミナー(学内講演2022. 7. 21)、第33回日本末梢神経学会(2022.9.10)、2022年度 手の外科懇話会秋のセミナー(2022.10.22)、 The 4th Korean Facial Nerve Society Conference(2022.12.3)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各種の顔面特徴点検出エンジンを用いた場合、麻痺のない例では比較的正確に顔面の特徴点を捉えることが可能であるが、麻痺例ではその検出精度はかなり低下してしまうことがわかった。これは顔面が概ね左右対称であることを前提に学習が行われている結果であると考えているが、 特に顔面神経麻痺の伴う個々の症例に関して評価を行うには麻痺患者における検出精度の向上が必須であり、その方策を考慮している。
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今後の研究の推進方策 |
更に多くの検出エンジンの検出精度を調査し、最も適したものを選択する。 顔面特徴点正確な検出が特に重度の顔面神経麻痺例では困難である一方、麻痺の程度と検出のズレの大きさにも着目し、その利用が可能であるか否かを検証していく予定である。
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