研究課題/領域番号 |
22K09856
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
中川 雅裕 浜松医科大学, 医学部附属病院, 特任教授 (00285793)
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研究分担者 |
内藤 康秀 光産業創成大学院大学, 光産業創成研究科, 准教授 (40237186)
沖原 伸一朗 光産業創成大学院大学, 光産業創成研究科, 准教授 (50410535)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 微小血管吻合 / レーザー / 血管吻合 / 金属ステント / 顕微鏡下血管吻合 / ファイバーレーザー / マイクロサージャリー |
研究開始時の研究の概要 |
血管ステントとファイバーレーザー照射により、動脈と静脈の両方で吻合可能な微小血管吻合器の開発を行う。現在、実体顕微鏡装着型のレーザーヘッドを製作しており、それを用いて鶏肉の血管を用いて至適条件や組織染色による組織変化を検討する。その結果をふまえて、レーザーの波長や至適条件の変更、レーザーヘッドの改良を行なう。その後、ラットを用いて、生体下で血管ステントとレーザー照射を用いた微小血管吻合を行い、操作性や長期間ステントを挿入した際の耐久性や組織変化の検討を行う。また、実際の手術を想定した手術用顕微鏡に装着できるレーザーヘッドのデザインや製作を行う。
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研究実績の概要 |
2022年度は①血管吻合用レーザーヘッドの開発、②血管吻合用金属ステントの開発、③ウサギの血管における金属ステントとレーザーによる血管吻合を行った。 ①血管吻合用レーザーヘッドの開発では、実際に手術で使用する手術用顕微鏡に搭載可能なファイバー誘導のレーザーヘッドを作成した。当初、レーザーの照射ポイントを示すガイドレーザーが外付けであった。しかし、動物の血管においては、立体的でありガイドレーザーの焦点が血管吻合用レーザーと焦点がずれてしまう欠点があった。そのため、ガイドレーザーと血管吻合用レーザーを同軸になるように改良した。また、レーザーの反射ミラーが小さいため顕微鏡の視野が狭くなってしまう欠点が生じたため、レーザーヘッドをスライドして、通常の顕微鏡操作の場合はレーザーヘッドを外し、吻合操作の場合にのみレーザーを顕微鏡視野内に入れるように改良した。 ②血管吻合用金属ステントの開発については、従来の金属ステントは直径2mm大であったが、小動物(ラット)の血管吻合を行うため、より小さい血管に対しても使える0.4mmと0.8mmの吻合用ステントを作成した。まず、この細径の金属ステントを鶏肉の細い血管を用いてレーザーによる血管吻合の実験を行った。鶏肉の血管においてはレーザーによる吻合は可能であったが、レーザー照射のスポット径が0.8mm程度と、血管径と同程度あるいは血管径より大きくなってしまうため、よりスポット径の狭小化が必要だと思われた。 ③ウサギの血管における血管ステントとレーザーによる吻合では、2023年予定であったウサギを用いたレーザー血管吻合を行うことができた。ウサギの研究においては実験室が狭く、手術用顕微鏡を導入できなかったので、卓上型実体顕微鏡に搭載できるレーザーヘッドを用いて行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の計画では、①実態顕微鏡搭載型ファイバーレーザーの開発と②実体顕微鏡搭載型ファイバーレーザーと金属ステントを用いたラット鼠径部大腿動脈吻合および静脈吻合術を予定していた。①実態顕微鏡搭載型ファイバーレーザーの開発に関しては改良の必要はあるものの順調に進展した。一方、②ラット鼠径部大腿動脈吻合および静脈吻合術を予定に関しては細径の金属ステントの開発と顕微鏡搭載型レーザーヘッドの改良のため、ラットを用いた実験はできなかった。一方、2023年度予定であったウサギを用いた吻合研究は可能であったので、行った。問題点はラットやウサギの研究において実験室が狭く、手術用顕微鏡を導入できない点であった。そのため卓上型実体顕微鏡に搭載可能なレーザーヘッドの作製も必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、手術用顕微鏡と並行して小型動物の実験室に持ち込み可能な卓上型実体顕微鏡搭載型のレーザーヘッドの開発と行う必要が出てきた。また、細い血管の吻合に対応できるレーザーのスポット径の狭小化を目指す。そのためにレーザー発振器自体の改良やファイバー伝送のファイバー自体の狭小化も必要となった。それらの改良を進めつつ、ラットやウサギの実験も卓上型実態顕微鏡搭載のレーザーを用いて平行に行う予定である。
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