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被膜拘縮を抑制するペプチドコーティング乳房インプラントの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K09857
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56070:形成外科学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

神戸 未来  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50597862)

研究分担者 大石 真由美  あいち小児保健医療総合センター(臨床研究室), 臨床研究室, 主任研究員 (00880098)
高成 啓介  愛知県がんセンター(研究所), がん病態生理学分野, 研究員 (80378190)
亀井 譲  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10257678)
蟹江 慧  近畿大学, 工学部, 准教授 (80636407)
橋川 和信  名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90403237)
蛯沢 克己  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20397459)
樋口 慎一  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20892392)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードシリコンブレストインプラント / 機能性ペプチド / 乳房再建 / BIA-ALCL
研究開始時の研究の概要

乳癌術後の乳房再建術に用いられるシリコンブレストインプラント(以下SBI)には、表面が凹凸のテクスチャード型SBIと、表面滑らかなスムース型SBIがある。テクスチャード型SBIはブレストインプラント関連未分化大細胞性リンパ腫の発症リスクがあり、一方でスムース型SBIは被膜拘縮や破損のリスクがある。本研究ではSBIを機能性ペプチドで加工して、それぞれの問題を予防できるSBIの新規開発を目指している。

研究実績の概要

乳房再建用エキスパンダーまたはSBIから周囲被膜組織を採取し、コラゲナーゼを用いて酵素処理後に抽出した細胞群から、蛍光活性化セルソーティング(FACS)でlineageマーカーいずれも陰性かつPDGFRA陽性の細胞群を線維芽細胞として分画し、この細胞群から、筋線維芽細胞へ分化していないCD248low線維芽細胞のみを単離し、培養中に筋線維芽細胞へ分化しないよう、ROCK阻害剤(Y-27632)を添加しながら継代培養して線維芽細胞を作成した。
この線維芽細胞について、細胞接着ペプチドとして知られている RGD配列をDOPAを用いて修飾し(以下RGD pep)、シリコン材料への接着と線維芽細胞の増殖性を調査した。細胞非接着性wellプレートにRGD pepコーティングによりコラーゲンコーティングと同様の線維芽細胞接着性、増殖性を確認後した。さらに凹凸面シリコンシェル及び平滑面シリコンシェルにRGD pep、コラーゲンでコーティングを行い、コーティングなしのシリコンシェルをコントールとして平滑面及び凹凸面シリコンシェル上での線維芽細胞の接着性と増殖を調査した。3条件共に平滑面より凹凸面の方が線維芽細胞の接着性を認めたが、平滑面RGD pepコーティングが他の条件の平滑面よりも高い細胞接着性を認めた。また他の平滑面シリコンシェルの条件に比べ、高い細胞増殖性を確認された。
これらの結果を踏まえ、動物実験を行い、テクスチャード型インプラントに見立てた凹凸面シリコンシェル片をPBS、Collagen、Collagen + Tyrosinase、RGDpepで修飾し、ラット背部肉様膜下にそれぞれのを挿入4週後のインプラントの移動と回転を評価し、RGD pep修飾群で最も少ない傾向を得た。
またこれらのインプラント挿入部に形成された被膜組織について組織学的な解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

シリコン表面をコーティングする機能性ペプチドの選択とそれによる、凹凸面・平滑面それぞれのシリコン表面への修飾、またシリコン上での線維芽細胞の接着及び増殖を確認する実験系ができた。最も細胞接着性が強い凹凸面シリコンシェルにRGD pep及び比較郡としてコラーゲンによるコーティングを行い、ラットの背部筋層下に移植してその移動と回転を評価した。4週間時点においてRGD pep修飾群で位置移動や回転が少ない傾向を得た。
またラットにおいて挿入したシリコン周囲に発生した被膜組織を得られるため組織学的検討を行ったが、今後サンプル数を増やし実験の再現性を確認の上で移植するシリコンの条件や留置期間を変えて調査を進めているが、これと並行して、医療用インプラントへのペプチド修飾方法を検討しているが、現在のコーティング方法であると立体的なインプラントへの修飾が難しいという難点が生じている。

今後の研究の推進方策

動物数を増やすとともに、シリコンシェルを平滑面にして同様に各種コーティングを行って同様に追跡し、シリコンシェル片の移動性や回転性をさらに調査する予定である。
またシリコンシェル挿入後に生成された被膜を摘出して組織学的評価を行ったが、今後サンプル数を増やし実験の再現性を確認し、移植するシリコンの条件や留置期間を変えて調査を進めていく。
これと並行して、医療用インプラントへのペプチド修飾を前提とした方法を検証を進めていく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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