研究課題/領域番号 |
22K09859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松本 洋 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (20423329)
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研究分担者 |
木股 敬裕 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (50392345)
品岡 玲 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90724500)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 脈管解剖 / 肉眼解剖 / 造影剤 / 乳化技術 / 界面活性剤 / 乳化 / 解剖体 / 脈管 |
研究開始時の研究の概要 |
解剖体における脈管解剖研究には種々の造影剤がこれまで使われてきたが、それぞれ一長一短があり、未だ完全と言える造影剤は無く、改善の余地がある。そこで申請者は、現在用いられている油性ヨード造影剤を乳化技術により水溶性にすることで、油性ヨード造影剤が持ち合わせている特徴に加え水溶性ヨード造影剤の特徴を織り込み、これまでに無い性質を有する造影剤の作成を着想した。本研究では乳化技術を応用した新規造影剤の開発と工夫により造影剤のカスタムメイド化を図ることで脈管解剖のさらなる発展を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、乳化技術により油脂性造影剤を水溶化しつつ着色、高い造影効果と低粘性、長期染色性を維持した造影剤の開発が目的である。本年度は、先行研究をもとにした新規造影剤(リピオドール+PEG-60水添ヒマシ油+精製水)の調製を行った。そして調製後の造影剤の経時的変化を観察した。新規造影剤は2週間以上の経過において乳化状態は安定しており、油性インクの着色状態も維持されていた。また、従来から脈管造影で用いられていた硫酸バリウム、水溶性ヨード造影剤、リピオドール、リピオドール+ジエチルエーテル、精製水との粘性比較実験を行った。粘性比較実験では、リピオドール単独の粘性が突出した値を示したが、リピオドールを乳化した新規造影剤は他の造影剤とほぼ同等の粘性を示し改善が確認された。また、リピオドール+ジエチルエーテルと新規造影剤において、同一のリピオドール濃度で造影効果に変化を生じるか否か検証実験を行った。その結果、溶媒となる精製水とジエチルエーテル自体のX線透過性の違いから、新規造影剤ではより低濃度で同等の造影効果が得られることがわかった。解剖体への注入実験では、新規造影剤を下肢末梢のリンパ管に注入したところ、そけい部まで連続した明瞭な造影効果が得られた。また、油性インクで着色した造影剤の注入では、X線解析とその後の肉眼解剖いずれにおいてもリンパ管の視認性は良好であった。一方、膜乳化技術による造影剤粒子径の調整に関しては、超音波ホモジナイザーによる乳化と異なり造影剤に対する界面活性剤の比率の調整が必要で、現在その最適な割合を模索中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規造影剤の粘性や造影効果に対する評価が終了しており、進捗状況としてはおおむね順調と考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在は超音波ホモジナイザーによる乳化を行っていたが、今後は粒子径を調節すべく乳化フィルターを用いた乳化と、インドシアニン・グリーンを内包したW/O/W乳化造影剤の調製を予定している。
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