研究課題/領域番号 |
22K09861
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
四ッ柳 高敏 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70250595)
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研究分担者 |
浜本 有祐 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10380180)
北 愛里紗 札幌医科大学, 医学部, 助教 (20642185)
山下 建 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30312507)
柿崎 育子 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (80302024)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 軟骨 / 再生 / 人工耳介 / 再生医療 / ハイブリッド |
研究開始時の研究の概要 |
繊細な立体構造の再現のためには肋軟骨は現在最も有用とされる生体材料であるが、肋軟骨移植では、軟骨採取部位の術後疼痛、胸郭変形に手術時期が限定される。また移植軟骨の変形を生じることがあるなどの点から、肋軟骨に代わり種々の人工材料、または再生医療の導入が試みられている。しかし人工材料では皮下浅層に埋入した場合、容易に感染を惹起し、現時点では適した材料がない。再生医療による軟骨再生では各種報告されてはいるものの、臨床応用に至るレベルに達しているものは少ない。そこで、人工材料、再生医療の利点を合わせたハイブリッドの素材を獲得するため本研究を行うこととした。
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研究実績の概要 |
本研究の目的としては、患者に負担の少ない治療技術を開発することであり、現在小耳症に対して一般に行われている治療法である肋軟骨移植術において、疼痛や胸郭変形など患者に負担を強いる治療であること、再建した耳介が硬く厚いこと、などの問題点を解決するために本研究を行っている。 本年度は軟骨細切化技術の確立と人工耳介上への均一な軟骨片の噴霧技術を目的として行っている。特に集中的に噴霧したい耳輪、対輪上に十分な噴霧を行えているかの確認のため、噴霧した部分を横断して切断し、部位別の軟骨細胞数定量を行った。結果として、均一な噴霧とはなっておらず、部位により、また行った症例によって、軟骨量がばらばらであった。この状態では軟骨の均一な再生が生じず、移植後人工耳介が吸収されたのちに、生体内再生も均一に生じず、凹凸の不整が目立つ可能性があることが示唆された。従って、さらなる噴霧方法の検討が課題となる。 一方、軟骨細切化のみならず、軟骨のはく削方法についても検討を行った。これは、これまで検討していた軟骨の細切、噴霧ではなく、採取した軟骨を0.2mm程度の厚さの面状の軟骨片を作成することで、少量の軟骨から多数の薄い軟骨の膜を獲得し、人工耳介上をコーティングする方法の開発も同時に行なった。現時点で0.5mm程度の厚さでのはく削が可能となったが、この厚さではまだ十分な可塑性と、表面積を得ることが困難であり、より薄いはく削技術を獲得する必要性がある。これらを次年度の課題として検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
集中的に噴霧したい耳輪、対輪上に十分な噴霧を行えているかの確認のため、噴霧した部分を横断して切断し、部位別の軟骨細胞数定量を行った結果、均一な噴霧とはなっておらず、部位により、また行った症例によって、軟骨量がばらばらであったあり、生体内再生も均一に生じず、凹凸の不整が目立つ可能性があることが示唆された。従って、さらなる噴霧方法の検討が課題となる。
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今後の研究の推進方策 |
さらなる細切軟骨の噴霧方法の検討を行う。また、噴霧以外の手段の検討も同時に行なうこととした。すなわち採取した軟骨を0.2mm程度の厚さの面状の軟骨片を作成することで、少量の軟骨から多数の薄い軟骨の膜を獲得し、人工耳介上をコーティングする方法である。現時点ではまだ十分な厚さまでのはく削が行えていないため、より薄いはく削技術を獲得すると同時に、人工軟骨のコーティング方法も検討していく。
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