研究課題/領域番号 |
22K09868
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
赤松 正 東海大学, 医学部, 教授 (10276850)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 機能性エピテーゼ / 眼球運動 / アイトラッキング / モーションセンサー / エピテーゼ / 不気味の谷 / 視線機能 / モーションカメラ / 液晶 / 表情 |
研究開始時の研究の概要 |
外傷や悪性腫瘍による広範囲な顔面の欠損は、症例数は多くないが、患者さんの受ける精神身体的な影響は甚大である。現在、眼の周囲を含む顔面の喪失症例ではシリコン製のエピテーゼで見た目の回復を得る方法が選択されている。しかしエピテーゼには見たものに不気味な印象をあたえるという問題点がある。近年、不気味の谷として知られるようになったこの現象を解決するため、本研究ではエピテーゼに眼球運動による視線の一致という機能の付与を試みる。こうした試みは世界でも全く例を見ない。本研究は、このシステムの実現性を検証し、さらにこうした機能の付与によりエピテーゼが不気味の谷を超えられるかどうかの検証も行うものである。
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研究実績の概要 |
エピテーゼ装着患者の健側眼球運動を検知する手法についての考察:角膜反射法を用いたアイトラッキングには近赤外LEDとアイトラッキングカメラの光軸を近づけ、瞳孔を虹彩よりも明るく検出する明瞳孔法と近赤外LEDとアイトラッキングカメラの光軸を離し、瞳孔を虹彩よりも暗く検出する暗瞳孔法があり、東洋人には暗瞳孔法が適している。しかし夜間や暗い室内など、計測時の周囲環境により誤検出が起きやすい欠点がある。各種環境下でのアイトラッキングを検証し、最適なアイトラッキング手法を検討中である。2024年の期間中に発注し、完成品を被検者でトライアルする予定である。
エピテーゼに眼球運動を実装するシステム開発:眼球運動を可能にするため2軸サーボシステムを開発中である。システムを収容する患者の眼窩部の組織欠損の容積を計測し、最小で30ml、最大で270ml程度であることを確認した。システムは30ml程度の小さなものを開発する必要がある。現在、2個のサーボモーターをそれぞれポテンショメーター機構とスッテッピングモーター機構に分離して収納し、リンクを介して義眼を動かすシステムを設計中で、2024年度の期間中に発注し、完成品を被検者でトライアルする予定である。
2023年11月9日第41回日本頭蓋顎顔面外科学会における口演発表「シミュレーションガイデッド・プレシジョンサージェリー」のなかで本研究内容の一部を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究で開発中の眼球運動システムを実装したエピテーゼにはかなり大きな眼窩欠損部容積を必要とする。 当初装着を想定していた容積270mlの被検者が持病により研究に参加できなくなり、別に参加可能な被検者は欠損部容積30mlと非常に小さいものを必要とするため、設計を変更している。
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今後の研究の推進方策 |
研究予算に限りがあるため、十分な設計と検討と行っている。 現在まで、研究代表者の研究室で所有する3Dプリンター、アイトラッカー、を用いて試作検討中であるが、24年度にモデル機の完成を予定している。
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