研究課題/領域番号 |
22K09871
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
桑原 大彰 日本医科大学, 医学部, 准教授 (30614820)
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研究分担者 |
久保村 憲 日本医科大学, 医学部, 助教 (40832358)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ABCC11遺伝子 / 腋臭症 / SNP / 臭気 / 細菌 / pH / 一塩基多型 |
研究開始時の研究の概要 |
腋臭症はABCC11遺伝子の一塩基多型(SNP)を原因とした遺伝疾患であるため治療対象者が多い。一方で腋臭強度や治療効果判定は患者や医療者側の主観に依存しており客観的評価基準がない。また一定確率で存在する自己臭恐怖症患者(実際には腋臭症ではないが腋臭症であると自己判断している者)の診断は困難である。そこで本研究ではABCC11遺伝子を治療開始前に解析し自己臭恐怖症の鑑別を一様に行える方法の確立と、腋窩細菌叢がどのように腋臭増悪に影響するかを科学的に証明するために腋窩の菌叢と腋窩環境の相関を解析を行うことを目的とする。
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研究実績の概要 |
腋臭症の患者から採取した一般採血検体よりABCC11遺伝子SNP(c.538G<A,p.G180R)をTaqManPCRで解析することで(1)治療開始前に自己臭恐怖症の鑑別を一様に行える方法の確立と、(2)本邦の有病率を中心とした疫学調査(3)患者の腋窩細菌叢がどのように腋臭増悪に影響するかを科学的に証明するため、腋窩の菌叢と腋窩環境の解析を行うことを目的とし、延いては非侵襲的治療法の開発を期待して本研究を立案した。 本研究開始2年現在では、研究に参加したすべての患者さんの術前採血検体を用いてABCC11遺伝子の検査を行い、約200例の検体を集積することができた。また、腋窩の細菌叢解析のために手術で採取された擦過培養および組織培養からは同様に200例ほどの検体を集積することができた。2023年度形成外科基礎学術集会、2023年度日本美容外科学会総会などの学会報告、雑誌発汗学への寄稿などを行なっておりこれら実績や集積したサンプルをもとに研究を継続し最終年度を迎えた。得られたデータからは、本邦におけるABCC11遺伝子SNP保有者が想定より腋臭患者で少なかったこと、組織培養ではベータラクタマーゼ産生菌が腋臭症患者で多いこと、他腋窩疾患とくに原発性腋窩多汗症の有無は腋臭の程度に強く関与していることなどが新規に判明しており、これら新たな知見を併せて本邦におけるABCC11遺伝子のSNP有病率など疫学調査および細菌叢が与える影響につき今後英文原著論文を作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究申請時、年間100症例/2施設を見込む旨記載しているため、全く同程度のサンプルを集積できているため
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今後の研究の推進方策 |
症例の集積、データ解析を行い、2024年度形成外科基礎学術集会への報告と質疑をもって英文学術誌への投稿を考えている。
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