研究課題/領域番号 |
22K09886
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
|
研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
小山 明彦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70374486)
|
研究分担者 |
小林 大輔 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40528080)
永峰 恵介 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70937820)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | ケロイド / ケロイド由来線維芽細胞 / 塩化セシウム処理 / 増殖抑制試験 / 塩化セシウム / 線維芽細胞 / 細胞外マトリックス / 創傷治癒 |
研究開始時の研究の概要 |
ケロイドでは線維芽細胞がガン細胞の様に過剰に分裂増殖し、膠原線維が過剰に産生されていることが知られているが、詳細な発生機序の解明には至らず、そのため有効的な治療薬や予防薬もほとんどなく、新たな治療薬が長年渇望されている。我々研究チームはHeLa細胞に塩化セシウムで処理を行うことで可逆的な細胞増殖抑制効果と解糖系抑制効果を認めることを発見し報告した。似た代謝結果を示すケロイド由来線維芽細胞において、塩化セシウム処理で同様の結果を認めるのであれば、ケロイド発生の機序解明に生化学的なアプローチが可能である。更に、塩化セシウムの可溶性を持つ性質から新規治療薬の開発に大きな一歩が得られると考える。
|
研究実績の概要 |
ケロイドでは線維芽細胞の過剰な分裂増殖しその活動性が亢進することで膠原線維が過剰に産生されていることが知られている。本研究では提供されたケロイドの検体から線維芽細胞を分離培養し、細胞増殖抑制効果があることが見出されている塩化セシウムを添加することで線維芽細胞の増殖や膠原線維線維などの代謝産物への影響を明らかにする。 現在、単離培養されたケロイド由来線維芽細胞(KF)に塩化セシウム処理(CsCl処理)をすることでKFの増殖抑制試験と細胞形態、ECMへの影響の評価を行っている。CsCl処理したKFの細胞増殖率の変化や細胞の生存率を同濃度のNaCl処理した対照区と比較を行った。CsCl処理は濃度依存的にKFの細胞増殖率を低下させることを確認した。またCsCl処理によって、細胞形態が細くなっていることが光学顕微鏡観察により明らかとなった。さらに細胞形態に関連があると考えられる細胞骨格(αSMA, 繊維状アクチン)の免疫染色を行い蛍光顕微鏡で観察したところ、CsCl処理により細胞内の細胞骨格密度が低下していることが明らかとなった。今後は細胞骨格や細胞外基質に関連する遺伝子・タンパク質の解析を進めていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究内容として、CsCl処理による線維芽細胞の増殖抑制試験、代謝産物及び代謝活性の評価、増殖因子やECMへの影響評価、浸潤・郵送に与える影響評価等を予定している。検体から初代培養で線維芽細胞を得て、継代培養することで各種研究を行っている。増殖抑制効果については概ね結果が得られており、蛍光顕微鏡による形態への影響評価や免疫染色による代謝産物への影響評価も行っている。同時にタンパク回収等も行いWestern Blottingの準備、細胞の回収によりqPCRの準備も並行して行っている。これらのことから現状としては概ね順調に進展していると判断している。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究では今後、CsCl処理によりケロイド由来線維芽細胞への代謝活性の評価、タンパク質量や遺伝子への影響について解析などを行っていく予定である。 代謝活性への影響を解糖系の代謝産物の測定を行い評価する(乳酸、NAD+、NADHの定量)。またコラーゲンなどの細胞外基質の発現量についてWestern Blotting解析を行い、さらにその遺伝子活性をqPCRの測定による解析を行う予定である。
|