研究課題/領域番号 |
22K09908
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
上原 俊介 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90434480)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 破骨細胞 / 骨吸収 / Pkn3 / 骨粗鬆症 / 細胞骨格 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、Wnt非古典経路が破骨細胞の骨吸収機能に果たす役割について解析し、1)Wnt5a-Ror2シグナルの下流でprotein kinase N3 (Pkn3)が活性化されること、2) Pkn3は、c-Srcを活性化することで骨吸収を亢進すること、3) Pkn3阻害剤は、in vitroにおいて濃度依存的に骨吸収を抑制する(IC50 = 0.085 μM)ことを見出した。本研究の目的は、1)Pkn3及びPkn3阻害剤の構造に基づく選択性、2)Pkn3によるc-Srcを活性化の分子機構、を明らかにすることである。これにより、新規の骨吸収抑制薬開発につながる新たな知見を提供しうる。
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研究実績の概要 |
生理的条件下において、骨量の維持は、破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成の均衡が保たれることで達成されている。加齢、閉経及び炎症などにより、骨吸収が亢進すると骨量が減少し、骨粗鬆症や炎症性骨破壊につながる。 我々は、破骨細胞の骨吸収を制御するシグナルについて解析を行い、サイトカインWnt5aが共受容体Ror2を介して骨吸収機能を亢進させるシグナル系を見出した。このシグナル系の下流において、セリン/スレオニンキナーゼであるプロテインキナーゼN3 (Pkn3) が活性化されることが骨吸収亢進に必要であることを明らかにした。 本研究課題では、Pkn3を阻害する化合物を見出し、骨粗鬆症の治療につなげることを目的としている。これまでに、SB202190という化合物が破骨細胞の骨吸収をin vitroでもin vivoでも抑制することを明らかにした。しかし、リコンビナントのPkn3に対する阻害効果が示されているH-8やY27632では、破骨細胞の骨吸収が抑制されなかった。そこで、破骨細胞に発現するPkn3がスプライシングバリアントであるかどうかを調べたが、cDNAの塩基配列に違いは認められなかった。 今年度は、翻訳後修飾によるタンパク質レベルでの違いについて解析する予定である。そのため、まずは破骨細胞を大量に調製し、Pkn3を精製する。精製したPkn3をLC/MSを用いて解析し、リン酸化や糖鎖修飾、アミノ酸の切断などの違いについて明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
破骨細胞で発現するPkn3に対する阻害剤の効果から、スプライシングバリアントの可能性を考えて、cDNAの配列を調べてきたが、配列には変化が認められなかったため。今年度は、翻訳後修飾における違いについて解析予定である。
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今後の研究の推進方策 |
破骨細胞に発現するPkn3の翻訳後修飾について、リン酸化や糖鎖修飾を調べる予定である。そのため、まずは破骨細胞を大量に調製し、Pkn3を精製する。精製したPkn3をLC/MSを用いて解析する。
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