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軟骨吸収細胞septoclastの軟骨基質との接着機構と分化誘導メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K09917
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分57010:常態系口腔科学関連
研究機関明海大学

研究代表者

坂東 康彦  明海大学, 歯学部, 准教授 (80735548)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードseptoclast / ペリサイト / 血管内皮細胞 / 骨端板 / extracellular matrix / インテグリン / マウス / pericyte / 軟骨基質 / 細胞接着
研究開始時の研究の概要

septoclast(セプトクラスト)は骨端板軟骨の吸収に関与する食細胞で、長管骨成長に重要な働きをするが先行研究が少なく知見が乏しい。申請者は予備実験でseptoclastに骨端板の細胞外マトリックス(ECM)であるII型・X型コラーゲンと接着し膜受容体となるインテグリンα2が局在することを見出した。本課題では、インテグリンα2を指標としてseptoclastと軟骨基質中のECMとの接着機構を明らかにし、さらにペリサイト(血周皮細胞)からseptoclastへの分化機構を解明することを目的とし、長管骨成長の理解と骨軟骨疾患の医療に新しい知見を得ることを目指す。

研究実績の概要

昨年度に①septoclastと軟骨基質中のextracellular matrix の関係の形態学的解析と②septoclastとペリサイト培養細胞系の確立のための条件検討と準備を行った。
本年度は、業績として昨年度の成果がBando et al. J Anat. 2023:831-845. doi: 10.1111/joa.13820.として公表された。
研究の遂行としては上記②の確立のための条件検討と③ septoclastにおけるインテグリンα2β1を介するコラーゲンシグナル伝達系の解析を行った。②に関して:septoclastはpericyteに由来し、PDGFRβを共通に発現するが、インテグリンα2はseptoclastにのみ発現しpericyteには発現しないことを確認し、これらの発現の違いを利用してマウス骨端板組織からセルソーティングによりseptoclastとpericyteを単離し、DNA発現レベルでの解析を行うため、細胞分離の手順、フローサイト試薬の選択と濃度、ソーティング後の培養法と解析手段の検討を進めている。③に関して:マウス骨端板組織からセルソーターを用いてPDGFRβとインテグリンα2を指標に細胞の分離採取を実行中である。PDGFRβ-インテグリンα2共陽性細胞とPDGFRβのみ陽性細胞をRT-PCR法を用いて確認したところ、共用性細胞群のほうがPDGFRβのみ陽性の細胞群よりseptoclastのマーカーである表皮型脂肪酸結合タンパク(E-FABP, FABP5)とcathepsin Bの有意な上昇が確かめられた。最終年度である来年度は、さらに②で行っているソーティングの条件を改良し、これらの細胞群のRNAシーケンス解析による比較を行い、その結果をもとに④ペリサイトからseptoclastへの分化誘導のメカニズムの解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では本年度に②septoclastとペリサイト培養細胞系の確立と③ septoclastにおけるインテグリンα2β1を介するコラーゲンシグナル伝達系の解析を終了し、来年度にそれらの結果をふまえて④ペリサイトからseptoclastへの分化誘導のメカニズムの解析を行う予定であった。
本年度は②と③に関連し、セルソーターを用いたseptoclastとペリサイトの分離は成功しつつあるが、それらをもとにした解析がまだ進んでいない状況である。セルソーティングの至適条件の設定と分離した細胞のRT-PCR、RNAシーケンス等の解析がなされていないため、研究の進捗は遅れていると考えられる。

今後の研究の推進方策

最終年度である来年度には、今年度から引き続き②septoclastとペリサイト培養細胞系の確立のための至適条件の探索、③ septoclastにおけるインテグリンα2β1を介するコラーゲンシグナル伝達系の解析に加え、当初から最終年度に予定していた④ペリサイトからseptoclastへの分化誘導のメカニズムの解析を遂行する。
②に関してはセルソーティングのより良い条件の探索、③に関しては分離した細胞のRT-PCR、RNA-seq等の本年度までに完了していない解析を行う。
④に関しては、ソーティングにより単離培養したseptoclastとペリサイトにRT-PCR、RNAシーケンス等で比較解析を行い、ペリサイトからseptoclastへの分化誘導機構を網羅的に探る。septoclastの分化は軟骨基質や毛細血管内皮細胞と密接な関連をしていると推測される
ため、必要に応じて培養軟骨細胞、血管内皮細胞との共培養系も導入する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Integrin expression and extracellular matrix adhesion of septoclasts, pericytes, and endothelial cells at the chondro‐osseous junction and the metaphysis of the proximal tibia in young mice2023

    • 著者名/発表者名
      Bando Yasuhiko、Nagasaka Arata、Onozawa Go、Sakiyama Koji、Owada Yuji、Amano Osamu
    • 雑誌名

      Journal of Anatomy

      巻: 242 号: 5 ページ: 831-845

    • DOI

      10.1111/joa.13820

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 骨端板軟骨吸収におけるseptoclast、ペリサイト、血管内皮細胞と細胞外マトリックスの接着とその意義2024

    • 著者名/発表者名
      坂東 康彦, 小野澤 豪, 鈴木 海登, 長坂 新, 﨑山 浩司, 大和田 祐二, 天野 修
    • 学会等名
      第129回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 口腔顎顔面発生における組織消失の形態と意義2024

    • 著者名/発表者名
      天野 修, 坂東 康彦, 長坂 新, 坂下 英, 﨑山 浩司
    • 学会等名
      第129回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] マウス骨端板におけるseptoclast、ペリサイト、血管内皮細胞のインテグリンの発現と細胞外マトリックスの接着2023

    • 著者名/発表者名
      坂東 康彦, 長坂 新, 﨑山 浩司, 天野 修
    • 学会等名
      第65回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 表皮型脂肪酸結合タンパク(E-FABP/FABP5)を発現するseptoclastの骨端板軟骨吸収における役割2023

    • 著者名/発表者名
      坂東 康彦, 小野澤 豪, 長坂 新, 﨑山 浩司, 徳田 信子, 大和田 祐二, 天野 修
    • 学会等名
      第128回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] マウス骨端板のseptoclastにおけるインテグリンα2の局在と細胞外基質との関連2022

    • 著者名/発表者名
      坂東 康彦, 小野澤 豪, 長坂 新, 﨑山 浩司, 大和田 祐二, 天野 修
    • 学会等名
      日本解剖学会第110回関東支部学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 表皮型脂肪酸結合タンパク(E-FABP/FABP5)を発現する非石灰化軟骨吸 収細胞septoclast2022

    • 著者名/発表者名
      坂東 康彦, 小野澤 豪, 長坂 新, 﨑山 浩司, 天野 修
    • 学会等名
      第64回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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