研究課題/領域番号 |
22K09924
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
広瀬 雄二郎 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (90788407)
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研究分担者 |
山口 雅也 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (00714536)
川端 重忠 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (50273694)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 化膿レンサ球菌 / 独立主成分分析 / モジュロン / 代謝機構 / 溶血活性 / RNA-seq解析データ / 病原性発揮機構 / 代謝 / 病原性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「化膿レンサ球菌はなぜ急速に組織破壊を進行させられるのか」について、この領域であまり着目されてこなかった「病原性に影響を与える菌の代謝機構」に焦点を当てる。感染症の増悪に寄与する化膿レンサ球菌の代謝機構を同定し、細菌学的に証明する。
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研究実績の概要 |
化膿レンサ球菌はヒトの上気道や皮膚に常在するが、咽頭炎など比較的軽度の疾患から重篤な症状を呈す劇症型溶血性レンサ球菌感染症まで多様な感染症を惹き起こす。化膿レンサ球菌 は宿主環境に適応するために、転写調節ネットワークを駆使して生理的状態を変化させる。しかし、化膿レンサ球菌 における転写制御因子は40個以上も推定されており、根底にある転写調節ネットワークを多面的に捉えることは困難であった。 本研究では、化膿レンサ球菌 血清型1型におけるRNA-seq解析データを公共のデータベースより収集し、独立主成分分析を実行した。化膿レンサ球菌 のモジュロン(複数の転写制御因子や環境要因が作用した結果、ともに挙動する遺伝子群)を世界で初めて同定し、データベース上に公開した(imodulondb.org)。さらに、得られた結果を過去のRNA-seq解析のデータ解釈に活用することで、「グルコースの多糖体であるマルトースおよびデキストリンの利用が、溶血毒素の発現に影響する」との仮説が得られた。実際に検証を行うと、菌がグルコースを利用する場合の溶血活性はストレプトリジンO依存的であるのに対し、マルトース利用ではストレプトリジンS依存的、デキストリン利用では両方の毒素が溶血活性に寄与することが明らかにした。さらには、モジュロンの転写活性を計算することにより、ストレプトリジンOをコードする遺伝子の発現上昇において、グルコースとデキストリンでは異なる転写調節ネットワークを利用していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
化膿レンサ球菌は宿主環境に適応するために、転写調節ネットワークを駆使して生理的状態を変化させる。しかし、化膿レンサ球菌における転写制御因子は40個以上も推定されており、根底にある転写調節ネットワークを多面的に捉えることは困難であった。本研究では、化膿レンサ球菌のモジュロン(複数の転写制御因子や環境要因が作用した結果、ともに挙動する遺伝子群)を世界で初めて同定し、データベース上に公開することができた(imodulondb.org)(Hirose et al., mSystems. 2023. PMID: 37278526)。
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今後の研究の推進方策 |
化膿レンサ球菌においてグルコースの二糖体であるマルトースおよび多糖体であるマルトデキストリンの利用は菌がグルコースを利用する場合と比較して、大きく遺伝子発現を変化させることを明らかにしている。しかし、そのメカニズムは不明である。利用する糖質の違いが、化膿レンサ球菌の細胞内にどのような変化をもたらしているかを明らかにするために、化膿レンサ球菌のゲノムスケール代謝モデル(GEM)の開発を試みる。
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