研究課題/領域番号 |
22K09925
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
池田 淳史 岡山大学, 大学病院, 講師 (60710150)
|
研究分担者 |
高柴 正悟 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (50226768)
伊藤 達男 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80789123)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | シェーグレン症候群 / 制御性T細胞 / long non-coding RNA / 自己免疫疾患 / 制御性T細胞(Treg) / エピジェネティクスの制御 |
研究開始時の研究の概要 |
シェーグレン症候群(SS)は唾液腺に生じる自己免疫疾患で、唾液分泌能の低下により齲蝕や摂食嚥下障害などが発症し、栄養摂取量の低下を介して健康寿命が短縮するため、社会的な問題となっている。一般に自己免疫疾患の発症・進行には、制御性T細胞(Treg)の異常が関与している。近年、疾患特異的な非翻訳長鎖RNA(lncRNA)が、Tregに影響を与え、自己免疫疾患の発症や進行に関与していることが判明してきたが、SS特異的なlncRNAは発見されていない。従って、SS特異的なlncRNAによってどのようにTregの機能が変化するか明らかにし、SSの発症・進行機序の一端を解明することを本研究の目的とした。
|
研究実績の概要 |
シェーグレン症候群(SS)は唾液腺に生じる自己免疫疾患で、唾液分泌能の低下により齲蝕や摂食嚥下障害などが発症する。その結果、栄養摂取量の低下を介して 健康寿命が短縮するため、社会的に大きな問題となっている。一般にSSを含めた自己免疫疾患の発症・進行には、制御性T細胞(Treg)の異常が関与している。既存のSSに関する研究報告の多くは、唾液腺中に存在するこのTregの数のみに着目し、DNAの塩基配列に依存しない遺伝子の調節機構であるエピジェネティクスの制御によるTregの機能的変化という観点では研究されていない。近年、疾患特異的なlong non-coding RNA(lncRNA)が、エピジェネティクスの制御などを介してTregに影響を与え、自己免疫疾患の発症や進行に関与していることが判明してきたが、SS特異的なlncRNAは発見されていない。以上から、SS特異的に発現しているlncRNAによるエピジェネティックスの制御を介したTregの機能的変化が、SSの病態に関与しているのではないかという問いが生まれた。従って本研究の主目的を、SS特異的なlncRNA によってどのようにTregの機能が変化するか明らかにし、SSの発症・進行機序の一端を解明することに設定した。 前年度は、フローサイトメトリーを用いてTregの分離が的確に行えるか確認していたが、手技的に安定してきたので、岡山大学病院バイオバンクに登録されている試料を使用し、疾患特異的に発現しているlncRNAを解析を進めている。 合わせて、SS患者のリクルートを継続して行い、一次性線型シェーグレン症候群患者群は予定人数に達したので、募集を終了した。一次性線外型シェーグレン症候群患者、二次性シェーグレン症候群患者は引き続き募集している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シェーグレン症候群(SS)の病型には、一次性と二次性があり、一次性はさらに、腺型と腺外型に分けられる。岡山大学の倫理委員会には、先行研究として、それぞれ10名の患者抽出を申請し、承認を得ている。そして、現在の患者リクルート状況は、腺型一次性SS患者は10名、腺外型一次性SS患者は5名、二次性SSの患者は9名となっているので、2年目としては概ね順調に進展していると考える。また初年度は安定していなかったが、今年度はフローサイトメトリーを用いた制御性T細胞(Treg)の分離が的確に行えるようになったため、患者と健常ボランティアの血液から、研究担当者自身の血液からTregを分離し、RNAを抽出して、次世代シークエンサーを使用してlncRNAの解析を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
RNAシークエンシングで得られた結果を元にシェーグレン症候群患者特異的に発現しているlncRNAの中から制御性T細胞の免疫抑制機能の一つであるヘルパーT細胞の活性化抑制に関わるものを選び出し、CRISPR-Cas13システムを使用して、健常者から抽出・培養したTregの標的lncRNAをノックダウンして、表現系にどのような変化が生じるか確認する予定である。
|