研究課題/領域番号 |
22K09955
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
岸川 咲吏 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (50781358)
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研究分担者 |
田中 芳彦 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (00398083)
永尾 潤一 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (30509047)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 歯周病 / 認知症 / 行動試験 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病は歯周病原細菌の感染による慢性的な口腔感染症であり、認知症のリスクファクターである。近年、認知症の有病率が歯周病の罹患によって加速度的に悪化し、その有病率は加齢とともに増加することが報告されている。しかし若年者の脳における歯周病のリスクについては不明な点が多い。申請者のこれまでの研究から、歯周病原細菌の感染によって責任免疫細胞が脳に遊走し、脳細胞の老化を促すことで脳機能の低下が起きることが示唆された。 本研究は、歯周病原細菌によって誘導される責任免疫細胞の特定と、その責任免疫細胞による老化促進メカニズムを調べることで、歯周病が若年者の脳機能に与える影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
歯周病は歯周病原細菌の感染による慢性的な口腔感染症であり、歯を喪失する主たる原因となっている。歯周病は年齢を問わず、若年者から高齢者まで幅広く発症することから国民病とも言える病気である。 歯周病は早産や血管障害などの全身疾患のリスクファクターであることが報告されており、最近では特に認知症のリスクファクターであることが知られるようになった。近年では、認知症の病態が歯周病の罹患によって加速度的に悪化し、その有病率は加齢とともに増加することが報告されている。しかし脳における歯周病のリスクについては不明な点が多い。申請者は過去の報告から、歯周病原細菌の感染によって責任免疫細胞が脳に遊走し、脳細胞の老化を促すことで脳機能の低下が起きるのではないかと仮定した。そこで本研究は、目標1)歯周病原細菌によって誘導される責任免疫細胞の特定と目標2)責任免疫細胞によって誘導される老化促進メカニズムの解明、という2つの目標を達成することで、「歯周病に起因する認知症発症の新しいメカニズムの解明」を進め、歯周病が若年者の脳機能低下を引き起こす免疫学的・脳神経学的機序を明らかにする。 歯周病に罹患している患者は不安を併発しやすいという報告があり、歯周病に罹患すると不安などの精神疾患や、さらに認知機能の低下を招くことが考えられた。そこで歯周病モデルマウスの行動試験を行ったところ、不安を呈し、その後認知機能低下を示すことを見出した。また原因となる責任免疫細胞を見出した。ここまでの結果から、歯周病感染によって認知機能低下が誘導されたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従って、「歯周病に起因する認知症発症の新しいメカニズムの解明」に向けて解析が進んでいる。現在までおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
1. 責任免疫細胞のレパトア解析と、その由来組織の同定 2. 責任免疫細胞の脳への遊走方法と、そのリガンドを発現している細胞の探索 3. 老化した神経細胞の探索
現在、上記1と2について研究を進めている。また3.について、経時的に脳の解析を再度行いたい。
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